元官僚の高齢者が運転する車が母子の命を奪った2019/4/19の池袋の交通事故、直進車と右折車が衝突して信号待ちの園児がいる歩道に突っ込んだ2019/5/8の大津の交通事故。
尊い命が失われたこれらの事故は、いずれもドライバーの運転の未熟さが生んだ悲劇そのものです。
同じ年頃の子供を持つ親として非常に悔しく、悲しく、絶望感しか感じない。
こういった事故が発生するたびにメディアは騒ぎ立て、被害者であるはずの人たちの心をえぐっていく、そんな事の繰り返しです。
よくよく考えてみれば高速で走る鉄の塊がここまで普及しているのは、単純に便利である、という事の他に、もはや他のもの作り産業が青色吐息の中で、日本を支えるモノが自動車くらいしかなくなって、国やメディアとしても「はい、自動車に乗らない社会にしましょう!」とは言えなくなってしまっている事にも問題があるように感じます。
そもそも車の運転を人の判断力や操作能力に頼り切っている時点で事故は無くならないでしょうね。
自動車の事故を高齢者や運転未熟者、ドライバーの不注意にだけ責任を負わせる時代は終わりつつあるのでは。
今回は、自動車の事故によって命を落とす人の数が少しでも減る事を願って課題・解決策の掘り起こしをしてみたいと思います。
この小さな発信が少しでも事故によって悲しむ人を減らせるきっかけになれば嬉しいです。
自分だってあなただって他人事ではないのだ。
簡単に人を殺せる凶器が自分のすぐ近くを走っている
自動車に乗っている人は、簡単に人をひき殺せる凶器に乗っているという自覚を持っているでしょうか。
時速100kmで突っ込んでこられたらアウトだし、時速30kmであっても車に衝突されたら命を失うリスクがありますよね。
そんな凶器が自分の近くをバンバン走っているのだ。
この現状を、半ば諦めのように当たり前のものとして受け入れて「事故が起こっても仕方ない」、という考え方の人が大多数という現実を無理やりにでも変えていくしかないのではないか、とも考えます。
車社会という根本問題
今回5/8の大津事故のメディアの報道を見ていて思いましたが、
・園の散歩の危機管理
・散歩コースは問題なかったか
といった、大よそ的外れな質問・検証ばかりで、相変わらずマスコミ・メディアの報道は大衆をバカな方に扇動するだけなんだなぁ、という事が改めて分かりました。
保育園の散歩なんて全国津々浦々で行われているし、今回の場所よりも交通量の激しい所で散歩させている園だってごまんとあります。
なぜ事故が起きてから、たまたま被害に遭った園に対してマスコミが騒ぎ立てるのか。
普段から「保育園の散歩は危険だからやめよう!」と言わないのに、何故ことが起きてからわめくのか。
本当に短絡的で頭の悪さしか感じないですね・・・。
まぁわざと世の中をそういう風に洗脳していきたいからなんでしょうけど、滑稽過ぎて滑稽過ぎて・・・。
「車社会は当たり前なんだ」という風潮は変えてはいけない、という鉄の意志をメディアから感じる。自動車会社は大きな大きなスポンサーだからねぇ。
「直進車と右折車どっちが悪い」
という問題も取り上げられていますが、まぁそれもどっちもどっちではないかと。ブレーキ痕が無いとの事であれば、どっちも運転する資質なしと判断しても差し支えなさそうにも思います。
なんとか切り抜けようと、ブレーキではなくアクセルを踏んでハンドルを切って避けようとした、という可能性も想定されていますけどこれはドライブレコーダーの解析待ち。
大津の事故で言えば、右折と直進のせめぎ合いという側面がありますし、交差点でよく起こる事故ですから、もう全国の右折信号は時差式にして対向直進側が赤になってから青にするようにした方が良いとは思います。
右折側の待ち時間は若干増える可能性はありますが、1、2分待ったっていいじゃないですか、事故が起こるリスクを抱えるよりは・・・。
ただ、この対策は右折対策に留まります。事故はいろんなところ起こります。そんな局所対策だけしたって仕方ないんですよね。
だから、事の根本はそんな所にあるのではない、と思うんですよね。「車社会」にどっぷり浸かっている事自体が根源的な問題だとだと強く感じるんですけど、違うでしょうか?
誰も「車がこれほど普及していること自体が問題だ!」という声を上げない不思議。
それは、車があって当たり前、事故を起こした人間に問題がある、そんな所を歩いている人が悪い、という方向にしか世論を持っていけていないのが問題ではないのかなぁ、と。
車を悪者に出来ない日本
例えばアクセルを踏み込めば時速200kmを出せる車に簡単に乗れてしまう車社会がおかしいと何故誰も言わないのでしょう。
・車が無くなると不便だから
というのは当然出てくる答えですが、
・車産業とメディア・国が癒着しきっているから
という点も見逃せません。その辺を変えない限りどうしようもない気がします。
つまり国車産業は日本の主力であり、メディアも国もその恩恵を受けまくっているから、車を悪者にし切れないんですよね。
車のスピードを制限できるようにしたらいいと言うと、
「平坦な道で時速200km出せないと登りの坂道でスピードが出ないから無理!」
なんて的外れな返答が返ってきますが、
はぁ?としか思えないです。
今の技術なら坂道だと感知できるはずなんだから、平坦な道で時速60kmまでしか出ないけど、坂道でも時速60km出る車くらい作れるでしょうが、と。
そして全車GPSなりIoT端末なり搭載して高速道路でだけ時速100km程度出せる車にすりゃぁ良いじゃないの、と。
もはや人間の運転技術や認識力なんて当てにならないんだから、車の方をどうにかするしかないでしょう。
人間の判断力や運転力には限界がある事をちゃんとみんな認識しないと。
今回の大津の事故だって、お互いがブレーキを踏んで速度を最大限落とせていれば車同士が衝突したとしても勢い余って歩道に突っ込むことはなかったかもしれない。
しかし、人間がそのとっさの状況で
「あ、前の車危ない。ハンドル切る?速度上げる?落とす?急ブレーキ大丈夫?周囲の状況は?自分の手と足は動く?」
なんて判断を一瞬では出来ないわけですよ。
これが人間の限界。人間の判断力・運転に頼っているからこういう事故は起きます。
ブレーキの踏み間違いなんて高齢者だけでなく、運転技術の未熟な若者も起こすのだから、認知機能の衰えた高齢者が悪い!なんていう議論も根本からすると的外れになります。
熟練者だから事故を起こさないか、と言われればそれも違うだろうし。慣れた人が危ないなんて考えもありますよね。
つまりは運転をする人間すべてが事故を起こす可能性があるのです・・・。当たり前のことではありますが、そこを忘れて運転している人が多い。
運転能力に長けている人であっても、体調や気分の問題、様々な外的要因によって事故を起こす可能性は大いにあるわけで、人間の操作に頼っていては限界がある事に変わりはないのですよ。
車を持たない選択肢
車を持たない選択肢を容易に取れるような社会にしていくことが、事故の絶対数を減らす第一歩かとは思います。
車を持たないなら公共交通機関を格安で使えるとか、逆に補助金が出るとか。
実際に私も車を持っていません。事故を起こして他人或いは自分がダメージを負うリスクと金銭的な負担を考慮しての事です。
車を持たない事のメリットが多くなれば車に乗らない人が増え、結果的に道路から車が減り、無謀な運転なども減る可能性はあります。
しかし車産業が日本にずっしりと根を張っている現状を考えると、「車撲滅!」的な方向にはメディア・国は積極的には動かないだろう、という事は容易に想像できます。
それに、自家用車が減っても公共交通機関の車両の運転は結局残るわけで、根本的な解決にはならない、という事も言えますしね。
”人”ではなく”機械”を育て上げる
AIの時代が到来しつつあるのは、「今の車社会」打破の追い風ではないかと考えています。
人間の判断力や運転力に頼っている事が理由で事故が減らないのであれば、なんとしても「機械に事故を防ぐ仕組みを持たせる」という社会を早急に作っていくしかないのではないかと。
つまり人間ではなく、車その物が事故を防ぐための能力を獲得すればよいのです。
まだまだ発展途上だし完ぺきではないが、一番可能性はあるように感じる。
究極の解決は人の操作が一切介在しない自動運転ですが、その実現にはまだまだ時間がかかるでしょう。
であれば、最近の自動車に搭載されつつある「センシング技術」を早急に高度化させ全自動車に搭載し、早急に行き渡らせる、これくらいやらないと事故は減らないだろうと思います。
・自動ブレーキ機構:人や物が前にあったら何がなんでも止まる
・自動で速度制御:細い道、視界が悪い道を通る時は強制的に速度を落とす
これくらいの機能は今の技術で付けられるでしょう。池袋の事故だって、障害物検知による自動ブレーキがあればあそこまでの惨事にはならなかったかもしれない。
車に他のくだらない機能を付ける前にやることがあるはずです。
3年以内にそういった事故防止機能を持った車に買い換えなければ、事故防止機能の無い車は公道を走れなくする、くらいの強制力も必要になってきます。
もちろん今の車の所有年数などに応じて補助金を出すなどの施策も合わせて行う事になるでしょう。
また車を買い換えなくても後付けできる自動ブレーキなどがあればいいですね。そういった安全機構を無料で取り付ける、義務にする、くらいの本気度でやらないと。
また、安全特化の車を作れば需要がありそうですし、そうやって技術を培って他の車にも横展開していく、という自動車企業の成長も必要なように感じます。
それと、一時停止場所で一時停止していない、速度制限のある道路で速度超過をしているような場合に検知できる仕組みを車に取り入れて、そういった違反を人力で取り締まるのではなく自動で検知したうえで免許停止などの措置を取れるようにすれば違反をする人も減るでしょう。
あと、スマホな。運転中にスマホを触ってる奴は「私は事故を起こすために運転しています」と言っているようなものだから、即刻取り締まってくれ。
これも人間の意思に任せては限界があるので、運転席に座ったらスマホは自動でロックされるなどの機能を、自動車会社・携帯会社双方で協力して作る、くらいの事をなぜしないのか、とも思います。
大津の事故では「ガードレールがあれば助かったのでは?」なんて言葉も聞こえますが、それは結果論でしかないです。
危険個所と判定されていない場所での事故も起こり得るので、やるのであれば全国の道という道に歩道を作ってガードレールも全て配置して、とやらないと意味がないですが、コスト的にも時間的にも中々現実的ではない気がします。
横断歩道部分など、どうしても開口部が出来てしまうので完全には歩道を覆えないですしね。
道路を発展させるか、自動車を発展させるか、で言えば、自動車の発展に将来性を感じるので、事故防止の機能をとことん突き詰めていくべきは自動車の方だと考えます。
人間の不注意を事故に繋げないためのアイテムを活用
いきなり全ての車を自動ブレーキ機能を持つ車に変えよう!と言ってもハードルが高く、少なくとも数年は時間がかかります。
であれば他人を巻き込まないため、そして自衛のために事故を未然に防止できるグッズ・ツールの活用を検討してみるのも手です。
車を運転する人は、少しでもリスクを減らすために、使える物は使ってみて欲しい。
居眠り防止ウェアラブルデバイス Drowse Buster(ドラウズバスター)
「Drowse Busterドラウズバスター」電気の刺激で強制的に覚醒させるツールです。
耳たぶへの電気刺激によって居眠りを防止する効果があります。
車の運転時だけでなく、勉強や仕事でも使えますね。
車の運転中の眠気はホントにヤバい。運転中はとにかく眠気を無くすことが大事だ!
死角を減らすブラインドスポットミラー(自動車補助ミラー)
「ブラインドスポットミラー」は、運転手からの死角を減らすための補助ミラーです。
人間の思い込みで車の周りに人が居ないと思っても、実は人が居て引いてしまった、なんて事故も多いですよね。
車の運転手から死角になる場所に人が居ても気づけない事があるわけです。
死角になる部分を減らせれば、それだけ事故を減らすことにも直結しますよね。
また目測を誤ってモノにぶつかってしまった、なんて事故の予防にも使えます。
衝突警報システム Maemite-マエミテ
Maemite(マエミテ)は、赤外線レーザーを前方に照射し、前の車との車間が詰まった際に警報を発してくれるシステムです。
ボーっとしていて前の車に追突してしまった、なんていう事故を未然に防ぐ効果があります。
システムに頼り切るのはダメですが、こういったツールの力を活用する事も事故を防ぐためには大事なことですね。
ペダルの見張り番
連日の事故報道の結果、車に対して後付け可能な「ペダルの見張り番」が売れています。
これは「ペダルの踏み間違いによる急発進」を防止する装置で、突如アクセルを急激に踏み込んでも急発進しない仕組みを車に付けられるのです。
高齢者向けの商品と思われがちだが、若者が所有する車にも付ける場合が増えているらしい。
コインパーキングやコンビニの駐車場などでの急発進による事故をよく聞きますが、こういった商品を活用する事でそれらの事故を起こす確率が減りますね。
ニッシン・ドルチェ でら強烈メントールのど飴
「でら強烈メントールのど飴」はいわゆるのど飴ですが、強烈な刺激で眠気を飛ばしてくれるアイテムです。
どうしても眠ければ停車して仮眠を取るなどすべきですが、停車出来ない場合などに口に放り込んでおくと眠気予防に役に立ちますよ。
何度も言うけど運転中の眠気は大敵!運転している時は眠くなってはダメ!
まとめ
以上、車社会の問題と事故の防止についての持論を展開してみました。
反対意見や指摘事項もあるとは思いますが、今の今まで事故が無くならないのは「車の事故は仕方ない」という大衆の考えが反映されているから、という考えはあながち間違いでもないと考えています。
まぁそれを言うと、包丁は?銃は?といった問いが必ず出てきますが、同じ問題だとは思います。
人間の判断に任せて使われる”凶器”による事件・事故は結局なくなるわけがない、という事です。
ただ、システム側・機械側で未然に防ぐ機能・策があるのであれば、それらを試してみようよ、という話です。
自動ブレーキシステムなんてもう世の中に存在しているのだから、あとはどれだけ本気で普及させるか、だけの問題です。
自動運転はまだ遠くても、事故を減らすための手段は国を挙げて取り組もうよ。
特に、人間の判断関係なくシステマティックに事故防止に繋げる事が出来る技術、「人や物にぶつからない技術」の搭載は加速させたいですよね。
この記事が事故を撲滅するための一つのきっかけになれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございます。もし少しでも役に立ちそうだと思われたら、ソーシャルメディアでの共有をお願いします。
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