マンガを読んでいると、たまにガツン!と来る場面に出会いませんか?それこそ人生を変えるようなシーンを目の当たりにして意識や価値観が変わった!なんて経験をしたことがある人もいると思います。
人それぞれ好きなマンガ、好きな場面は異なると思いますが、今回私の中で鉄板と考える
マンガの「泣ける」場面をご紹介したいと思います。
時々無性に泣きたい時、感動したい時ってありますよね。感動して泣きたい気分の方、人生に潤いを与えたい方、心を揺さぶる感動が欲しい方はぜひ、参考にしてください!
※ネタバレを含みますので注意
宇宙兄弟
このマンガに出てくる登場人物は誰もが個性的で非常に魅力的です。最初は仲違いしていても困難を乗り越えて仲間になっていく・・・そんな人間模様がとてもうまく描かれています。
宇宙飛行士となって実際に月に行く、という壮大なテーマなのも面白いですね。
子供の頃に南波六太と日々人が将来一緒に宇宙飛行士になろうと誓い合い、実際に兄弟共に宇宙飛行士として活躍することになります。
しかし兄弟それぞれに様々な試練が襲い掛かるのです。(兄六太は頭突きで会社辞めてますしね・・・)仲間の力そして自分の力でそれらの困難を乗り越え、宇宙飛行士として成長していく様が描かれています。
そしてこの物語の柱となるのが「仲間の大切さ」です。切磋琢磨する仲間、ピンチを救ってくれる仲間、陰から支えてくれる仲間、そしてひょうきんな親など・・・主人公2人はもちろん、それ以外の登場人物も全員良い味を出してるんですよね~。
笑いあり、涙あり、ギャグあり、恋あり、なんでもありの大好きなマンガです。そんな宇宙兄弟の中でも好きなシーンをご紹介します。
仲間を助けるための署名集め、そしてただでは転ばない
仲間を救い、自分も困難に立ち向かう、そんな様が描かれているのが単行本23巻です。
ISS(国際宇宙ステーション)が老朽化を迎えている宇宙兄弟の物語の中では、NASAの中に、コスト削減のためISSを廃止しようとしている派閥があります。
六太がちょうど月へ行くクルーに選ばれるかどうかの瀬戸際にいる時です。六太はISS廃止派閥の上の方から「ISSを廃止するための署名を集めれば月へ行くクルーとして任命(アサイン)する」と持ち掛けられます。
六太は、宇宙飛行士仲間であり密かに好意を寄せているセリカ(と絵名)がこのISSの搭乗クルーであり、ある病気の治療薬を作り出す研究に命を懸けている事をしっているのです。
自分のアサインを帳消しにしてでも、ISSに命を懸けるセリカのために、「ISS存続のための署名」を集める事にします。
セリカがISSに命を懸ける理由、それは父を苦しめ死なせてしまったある病気を治療するための研究をするためです。回想↓
↑↓故人からのメッセージ、泣ける。。
セリカはたまたま署名の事を耳にして「もしかして南波さんがISS廃止の署名を集めてるんじゃ・・・でもそんな事するような人じゃ・・・」
と疑心暗鬼になっている時に実は全く逆で、六太がISS存続のために動いてくれている事を目の当たりにして涙を浮かべます・・・。
で実はこの後、ちゃんとISS廃止の代わりに六太は自分で考えたコスト削減案を上にぶつけて月への切符を手にするのです。仲間を助け、自分の事も投げ出さない、これです。
自分たちのミッションがダメになっても仲間を助ける、という王道ストーリーでありつつも、ただ自分を犠牲にするだけではなく、しっかりと自分も成功できる道を考えて上にぶつけて行くところが爽快なのです。
この宇宙兄弟というマンガは単なる自己犠牲で他人を助ける、というストーリーはあまりないのがすごい所です。
仲間のために行動しつつも自分もちゃんと上を目指す、という所が受けているのではと思います。実際読んでいてスカッとします。心が晴れるんですよね。
これで六太とセリカの恋のロマンスが始まるのかと思いきや、全然始まらない所もまた良い!
宇宙兄弟の中で大好きで泣けるセリフ
宇宙兄弟の中でも屈指の名言「It’s a piece of cake!」は単行本13巻に登場します。
天文学者のシャロンと子供の頃からの付き合いである六太は、落ち込んだ時に尋ねます。
「自分は役に立たないダメ人間です」は、英語で言うとどうなるか、と。
シャロンは「It’s a piece of cake!」と言えばいいのよ、と教えます。
直訳すると「一切れ分のケーキ」ですが、本当の意味は「楽勝だぜ!」となります。シャロンは六太にウソを教えたんですね。まぁ、おちゃめ。調子が悪い時でも「楽勝だぜ!」と自分を鼓舞していけ!というシャロンなりの励まし。
シャロンは、亡き夫が発見した小惑星「シャロン」(妻の名をつけた)の姿をはっきりと捉えるために月面に望遠鏡を作る事が夢であり「月面望遠鏡建設プロジェクト」を進めています。大気の無い澄んだ月面の望遠鏡で自分の名前の付いた小惑星をまじまじと見たいのです。
六太はその夢をかなえるために「誰よりも先に月に行く」とシャロンに誓います。しかし、筆記テストで散々な点数を取ってしまったりとなかなかうまくいきません。
そしてシャロン自身も、セリカの父親と同じ病気であるALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症してしまいます。
あの有名なホーキング博士と同じ病気ですね。手足が動かなくなっていき、表情も失われ、治療をしなければ呼吸も止まって死に至る病気です。
セリカは父親を苦しめた病気を治すための治療薬を研究するためにISSクルーとなりますが、シャロンを助けたいという思いも強いのです。
そして六太も六太で、恩人であるシャロンの夢を叶えたい一心で宇宙飛行士としての訓練を続けます。いずれまぶたも開かなくなってしまうシャロンに、月面望遠鏡で小惑星「シャロン」の姿を見せてあげたいのです。
シャロンから「月面望遠鏡の全てを伝えに行く。覚えることだらけよ。覚悟はいい?」とメールで聞かれ、六太はこう返信します。
「It’s a piece of cake!」と。
六太とシャロンのこの絆にグッときました。困難な事があって歯を食いしばりながらも「楽勝だぜ!」と言いながら乗り越えて行く。そんな人間になりたい、と強く思わせるエピソードでした。
シャロンと六太のこの「It’s a piece of cake!」は個人的に心に突き刺さりましたね。
困難にぶち当たった時に「もうだめだ・・・」と捉えるよりも、「楽勝だぜ!」と無根拠でも自分を奮い立たせる言葉で鼓舞しながら進めばなんとかなるものです。
宇宙兄弟というマンガはこれ以外にもこれは!と思う名言に溢れていますので、心が落ち込んでしまった時などにぜひ読んでみて下さい。
NARUTO
完結していますが世界でも大人気のマンガです。忍者アカデミーの落ちこぼれ、うずまきナルトが自分の不遇な境遇を乗り越えて、里の長である火影になるまでが描かれます。
NARUTO-ナルト- コミック 全72巻完結セット (ジャンプコミックス)
ナルトは途中、仲間や師匠、敵などに大きな影響を受けながらも、自分の忍道である「まっすぐ自分の言葉は曲げねぇ」を貫いて行くさまは、まさに少年漫画!というストーリーです。読む人を引き込みますね。
ただ、私は主人公のナルトよりもロック・リー、マイト・ガイがこのマンガを読む醍醐味だと考えています。
何の才能も持たないロック・リーがガイ先生の教えによって体術特化で強くなっていく様子が心揺さぶります。非常にナイスな師弟関係です。
途中、ロック・リーが再起不能なまでのダメージを受け、手術を受けなければこれまで通り戦う事は不可能、という所まで追い詰められます。(単行本20巻)
ガイ先生は手術が成功すると信じ切っているのでナイスガイな笑顔で約束をするのです。
そして何よりもガイ先生自身が物語のクライマックスで命を燃やして敵の大将に向かう様がカッコ良すぎてやばいわけです。
ガイは途中でもちょこちょこ見せ場を作るのですが、ちょっとヌケたちょっと強い忍者、くらいのポジションかと思っていたのですが、最後に最大の見せ場を作ります。
このガイの最大の見せ場は単行本69巻~70巻で描かれています。NARUTOの本編は72巻で完結を迎えますから、かなりの終盤です。
一サブキャラであったガイがここまで大きな活躍を見せる様子はまさに涙モノでした。ガイが活躍するととにかく嬉しくなってしまうんですよね・・・。なぜでしょう、他のキャラのように派手な忍術とか技に頼らないというか、純粋な体術で敵に立ち向かう姿が心揺さぶるんですよね。
NARUTOの世界では禁術とされる八門遁甲という術をガイは習得しています。それは親から授かった最終奥義です。この術は一門開けるごとに体のリミッターを徐々に解除していき、八門を開いた時は元の数十倍の強さを発揮しつつも、必ず死に至る、というまさに命を燃やす術なわけです。
ガイの親であるマイト・ダイは万年下忍であり周りからバカにされるような存在でした。しかし、子供を思う気持ちは人一倍強く、何でも前向きに捉える人物です。
否定的な親って、親失格だと思うんですよね・・・。どこか抜けている所や弱い所があっても、前向きな人が子供には必要だと思うわけです。
本当の勝利は「自分にとって大切なものを守り抜くこと」NARUTO一の名言では?!と勝手に考えているセリフです。
今の社会は人を蹴落としてでも前へ進め、とばかりにギスギスしていますが、本当は自分の大切な人を守り、育て、一緒に幸せになる、というのが人間の生き様ではないでしょうか。そのために人を傷つけ蹴落としても良いというなら、そんな場所にはいたくありません。
そして万年下忍の父親ダイですが、唯一習得した禁術である八門遁甲をガイに授けます。
そんなポジティブおやじダイですが、子を守るために八門を開き、散っていくのです・・・。自分ももし子供が危機に陥っている時、自分の命と引き換えに助ける事が出来るのなら、命を差し出すでしょうね・・・。
そしてガイが大人になり、最強の敵に立ち向かう場面です。親の教えを受け継ぎ、大切なものを守るために命を懸けます。
物語の終盤、各里の長である影たちが束になっても敵わない最強の敵マダラに対峙します。かつて父親が自分を守るために八門を開いて死んでいったように、ここぞという時「大切なものを守り抜くため」に八門を開き立ち向かいます。
敵マダラはガイのその燃えるような姿に対して「秋に散り朽ちる枯葉色、落ち葉の様」と形容します。しかしガイは「ただ朽ちて落ちるのではなく次の青葉の養分になる」と言い切ります。カッコ良すぎて泣きました。
人間はただ死にゆくのではなく、残された者の心に刻まれ、その生きる糧になるはずなのです。
ガイは命を燃やして青春の最高潮を迎えます。
過去の回想で明らかになりますが、ガイの永遠のライバル(ガイ視点)であるカカシは昔、ガイの事を内心バカにしていたようです。
しかしガイは、父親から譲り受けた「ポジティブさ」を発揮してカカシを呆れさせた過去を持ちます。
しかしこれはただポジティブなだけでなく、どんな時にも諦めない、そんな強い心の現れなのです。自分が諦めてしまわない限りどこまでも強くなれる、それをガイは証明していきます。
そして、カカシの父サクモもそんなガイの強さに気づくのです。
そしてガイが最後の力を振り絞って敵に立ち向かう姿を見たカカシは、そんな父の言葉を思い出すのでした。
ライバルがライバルを認める。熱い展開です・・・。
そして各里最強であるはずの影たちとは遊びで戦っていたかのようなマダラも、ガイの事を最強の体術使いと認めます。体術においてガイが最強であるとのお墨付きを、敵であるマダラからもらうことになったのです。
これ、ガイはうれしいんでしょうかね・・・。死にゆく最中に敵からの賛辞・・・
そしてこの後、空間をねじ曲げるほどの威力をたたき出す最後の奥義を炸裂させマダラを追いつめます。
続きはマンガ本誌で・・・。
大人は下の世代の後輩たちを導き、さらに次の世代を育む人材として育てて行かなくてはなりません。そうやって世界はここまで来ましたし、これからの世界もそうやって回っていきます。
NARUTOに登場するダイやガイは、いつでもポジティブシンキングです。普段はおちゃらけていながらも、いざという時はその背中を見せ強大な困難に立ち向かう・・・まさに後輩の良き指針となります。
こんな大人になりたいものです。こんな大人になれているかな・・・。
岳
映画にもなりました「岳」。大好きなマンガです。登山にまつわる生や死、社会で暮らす人たちの込み入った人間模様を深くえぐって描いていたりするんですが、不思議と悲壮感はないです。
とにかく前向きな主人公「島崎 三歩」のおかげで、前向きかつ爽やかなストーリーとなっています。ピンチの時も弱音をポジティブワードに変えて自分と周りを鼓舞する様がカッコ良いんです。
散歩は普段はお気楽能天気な男ですが、こと山の事となるとその登山知識、体力、自然との付き合い方など、普通の人にはない能力を持って困難を乗り越えていきます。そしてその力を活かして山岳救助を行っています。
このマンガは全編通して緩急の付け方がうまくて、泣ける話もあれば雄大な自然を感じさせるエピソードもあり、とても面白いのですが、やはりクライマックス部分の盛り上がりはもの凄いものがあります。
ラストはエベレスト登山が描かれます。世界最高峰の山ですから「岳」というマンガのラストにふさわしい舞台となります。単行本では17巻から18巻(最終)です。
体調が悪いのに無理やり山を登る人がいたり、ルールを無視して登る人たちがいたりと、人間のわがままな部分が結構描かれていて「山の下の社会でもこんな奴いるよな・・・」というリアリティさがあります。
そんなわがままな人たちにも救いの手を差し伸べるのが主人公三歩なわけです。
そして吹雪まで吹き荒れ始めるというピンチに直面する登山隊を救う事になるのですが、別に三歩はその隊と一緒にエベレストに登っていたわけではなく、天候の危うさ加減を心配して隣の山(!)から駆けつけてきたのです。
さらに別の隊(ルールを無視して登っていたインド隊の人たち)までも助けようとします。これは普通、出来ませんね。自分の命が危険ですから。
そしてこのクライマックスのエベレスト編ではもう一人の主人公「小田 草介」がいます。
「僕は生きてるから・・・生きてるから助けに行きたい!!」と吹雪ふきすさむ山に何度もアタックしてピンチを迎える三歩を逆に助けに行きます。いやー、こいつもカッコいい・・・。
小田は学生時代に未熟な装備で山に入り遭難して、三歩に救助された過去を持ちます。エベレスト登山という極限状態で、人間として成長する様が描かれます。
三歩が頻繁に口にする言葉、それは「よく頑張った!」です。遭難した人を救助したような時にかける言葉として使っていますね。元気づけてあげる事の出来る言葉です。
このマンガを読んでから自分もよく使うようになりました。特に悩んだり弱ったりしている人にかけてあげています。
↓参考
三歩はエベレストへの登頂アタックを3回連続でやる事になります。人を助けるために。まぁ普通はあり得ない話ではあります。無謀とも言える三歩の行動に残念な思いをした読者も多いようです。しかしそれでも諦めない三歩の生き様に私は心を打たれました。
そしてこのマンガに三歩が登場するのはここまでです。
その後の三歩の生死は明言されていません。賛否両論ありますが想像力をかき立てる最後ではあります。
三歩が生きているのかどうか、こんな考察もあります↓
とにもかくにも「岳」は人間関係に疲れたり、モノゴトがうまくいかなかったりする時に読むとほんわか暖かくなれて、前に進む気力をもらう事ができるマンガです。
常に前向きな三歩のような人間に憧れます。自分も名前は快晴「さんぽ」ですので、名に恥じないように頑張ります!(何を・・・?)
ダイの大冒険
ドラゴンクエストを題材にした冒険物語です。
仲間と一緒に魔王を倒す王道ストーリーですが、人間と魔族の間に揺れる人間や、込み入った恋のお話など、けっこうドロドロしたところも描かれています。
主人公は勇者ダイですが、よく言われるように物語の中で一番成長するのが魔法使いポップです。精神的にも、魔法使いとしても飛躍的に強くなるのです。
物語の序盤では精神的な弱さを露呈して逃げ出す場面もかなりあります。(3巻)
しかし、物語の中盤(10巻)では大きく成長します。強大な敵(ダイの父親)に立ち向かうため、仲間にわざと辛いやり方で当たります。
わざと逃げる”ふり”をするのです。
そして一人で敵の前に立ち向かいます。こうでもしないと、一人で敵の所に向かうなど、仲間が承諾するはずがないからです。
仲間の復活を信じて自分を犠牲にし時間を稼ぐ策に出るのです(この時ダイは戦闘不能状態)。最初の頃の逃げ腰ポップから比べると、精神的な成長がもの凄いです。
ラストバトルではダイ以外では唯一、一番最後まで大魔王と闘い続けます。そしてついには絶望的な状況に追い込まれ、主人公ダイですら倒れて動かなくなります。
そんな中でもポップは考える事を止めません。(36巻)なんとか打開策を見つけようともがきます。(カラ元気かもしれませんが・・・)
そしてそんな絶望的な状況の中でポップは叫びます。
「一瞬だけど閃光のように!まぶしく燃えて生き抜いてやる!」
「それがおれたち人間の生き方だ!」
「よっく目に刻んどけよ!このバッカヤロー!」
名場面です。おそらく物語の中で最大の。最後にはこれが倒れていたダイを復活させるきっかけになるのです。
有名なシーンだと思います。個人的にここが最高潮ですね。
物語の最初から強さを発揮するダイと違って、ポップは一般人代表のような存在です。弱くて逃げ腰で誰かに守られていてばかり・・・。
しかし仲間や師匠の力を借りて、苦しんで這いつくばって傷ついて、それでも一生懸命成長する様子に、私は自分を重ね合わせました。多くの人がそんな感覚を持ったのではないでしょうか。
「ダイの大冒険」もう一人の主人公「ポップ」の成長を、自分の成長に重ねてみてはいかがでしょうか。
キングダム
春秋戦国時代の中国が舞台であり、七国がしのぎを削る時代です。秦という国が中華を統一していこうと奮戦する物語となります。
秦の始皇帝は史実では晩年かなりご乱心な事になっているようですが、このマンガでは今のところ(笑)、名君として描かれています。(幼少の頃は生まれの境遇もあってかなり闇を抱えていましたが・・・)
史実を参考にしてはいるマンガではありますが、多くはフィクションです。ただ、少年漫画として大変熱く、時に涙してしまう場面にも出くわします。大好きなマンガです。
主人公は信という下僕出身の少年であり、またもう一人、秦の大王である嬴政(えいせい。政と呼ぶ)です。
このマンガの最大の山場はやはり「秦 対 合従軍」編ですね。秦以外の多くの国が手を組んで秦を滅ぼさんと迫ってくる中で、秦の王都直前の小都市「蕞(さい)」まで敵が押し寄せてきます。
蕞(さい)が最後の決戦の地となるのです。そして大王政自らこの最前線に赴いて戦い抜くことを決意します。
戦闘で信が敵をバッタバッタと打倒していく様子も燃えますが、大王である政が前線である小都市蕞で聴衆に呼びかける画面は激熱、読むたびに涙が出ます。
単行本でいうと24巻くらいから始まる合従軍編ですが、個人的に最高の盛り上がりはこの聴衆への激が描かれる31巻だと思っています。
小さな子供にも思う存分しゃべらせます。
これは効きますね・・・。誰に効くって、大人たちに。子供に言わせておいて大人たちが奮起しないわけには行きません。
後に大王政は、この戦いにおいて多くの犠牲者が出る事を分かっていて住民たちを焚き付けた事を信に告白しています。上に立つもの、辛い選択を迫られる事もあるのです・・・。
一般市民が多い”蕞(さい)”の人々と共に戦うために民衆に語り掛ける大王政。
そして住民達の戦う心に火をつけたのです。信いわく激一つで士気が爆上げするとは「大将軍級」だと評しています。
大将軍は戦いの天才ですから激を飛ばすのも得意なはずですが、普通戦う事はない王様がそれをやってのけた事に驚嘆したのです。
政の激が飛びます。先祖たちが血を流して守ってきた秦を滅亡から救えるのは、ここにいる人たちだけだという事を伝え、住民を奮い立たせます。そして住民が奮起する様はまさに圧巻です。
「最後まで戦うぞ秦の子らよ!」・・・号泣しました。。
「言葉の力」で相手の心を変える、なかなかできない事です。この場合は大王という立場あってこそ、と言っては元も子もないですが、言葉で伝え切る事ができなければこうはならないはずです。
個人的には「人を変える事は出来ないから、自分が変わろう」をモットーとしている訳ですが、こういう熱い言葉には少なからず心を動かされることがあると、このキングダムというマンガを読んでいて感じました。
人の心を揺さぶる熱さを持ちたいと感じましたね。
まとめ ~泣けるマンガ編~
非常に個人的な感想ではありますが、泣けるマンガのシーンをまとめてみました。「熱い」シーンと言ってもいいかもしれません。
やっぱり少年漫画の王道とも言えますが、仲間や愛する人、そして自分のために困難に打ち勝つ、というストーリーに心を打たれます。
自分の人生にも重ねてしまいますね。諦めない心が大切だと改めて思わされるシーンばかりです。
自分の人生においても、社会の中で生きる苦しさ、勉強や仕事、恋愛や家族との生活など、困難に出会う事は数知れずです。その度に何とか乗り越えて私たちはここまで来たはずです。
大きな困難が襲ってきたとしても、自分のため、そして大切な人たちのために、苦しみながらも立ち向かう勇気を持ちたい、とおぼろげながらも感じている人は、マンガからそのきっかけをもらってみても良いのではないでしょうか。
最後までお読み頂きありがとうございます。もし少しでも役に立ちそうだと思われたら、ソーシャルメディアでの共有をお願いします。
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