AIが語学を終わらせる?人工知能の発達で英語の学習は不要になるか

英語全般

AI(Artificial Intelligence)、つまり人工知能って今話題ですよね。

AIが大学入試を突破する学力を身につけた!とか囲碁や将棋ですでに人間が勝てないほどの強さに到達した!とか、将来人間の代わりにAIが代わりに仕事してくれる・・・とかまことしやかに話されています。

 

そしてAIは語学の世界にも着々と入り込んできています。iPhoneのsiriやドコモのしゃべってコンシェルなどのツールは人工知能の技術を用いて言葉を返しています。

ちょっと前まで不自然な言葉が目に付いたんですが、だんだんと自然な言葉を発するようになってきていますよね。

 

ところで皆さん、2045年問題をご存知でしょうか。

 

2045年に、AIが人類の知能を完全に超えて人間を支配する、なーんて未来の到来の事を指します。そしてその時のことをシンギュラリティ(技術的特異点)と呼んだりして不安を煽る人もいます。

 

つまり、人が生み出した機械が人を超えて、人をこき使い人を滅ぼすことも出来る時代が来る、という訳です。

 

まぁ、そうならないように制御するのが人間の知恵なわけで、そう簡単にそんな世界が来ることはないと信じたい所ではありますが・・・。

 

そこまでいかないまでも、AIの発展のおかげで誰もが外国人と自由にコミュニケーションが取れる時代が来る!という意見もあるようです。前述のような翻訳ソフトがどんな言葉も自然に訳して相手に伝えてくれる、という訳です。

 

すでに膨大な言語データ(ビッグデータ)を分析した結果を元に、自然な感じで英訳・和訳を行う手法もだいぶ進んできた感はありますね。

翻訳業界は現に、このAIによる自然な翻訳が徐々に入り込んできていると言われています。「職が奪われる・・・!」と感じて戦々恐々としている方もいらっしゃるかもしれません。

 

そして、そんな未来が来ることを期待して英語を勉強しない、なんて人が増えそうな予感がするわけですが、果たして英語の勉強をしない事は正しい選択なのでしょうか?

 

結論から言えば、英語を勉強しておいた方が絶対に良いです!

 

なぜなら全てを機械・AIがこなすことは不可能なのです。人間にしかできない事があります。AIが発達しても英語を勉強しない理由にはならない、むしろ英語を学ぶことの重要性が増すと考える理由をご紹介したいと思います。

 

英語教育の功績と弊害 和訳を止めて英語のまま理解するには
小学校、中学校、高等学校と英語ってかなりの時間、勉強していますよね。それなのに英語に苦手意識を持つ人が多いのは何故なんでしょう。英語教育の良い所と改善すべきところを考えてみたいと思います。

 

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機械が発した言葉が正確に相手に伝わると信じるか

こんなシチュエーションを考えてみてください。

自分は英語が出来ません。で、日本語で話したものをAIが訳して外国の方へ伝えます。

 

この場合、自分が意図した通りに相手に確実に伝わったかどうか確証が持てますか?万が一間違って伝わっても、英語ができないあなたは間違って伝わったことすら気付けない、という事になります。そしてコミュニケーションはすれ違いを重ね、人間関係が崩壊していく・・・。

 

よくよく考えれば、十分あり得る事ですよね。

 

さらにちょっと突っ込んだ見方をすればAIがわざと間違えて伝える、という可能性もなくはないですよ。AIは人間の脳を超えて行くわけですから。これって恐くないですか?

 

そもそも深層学習(ディープラーニング)に代表される技術による機械翻訳は中身がブラックボックスなせいで、なぜその英訳・和訳になったのかがさっぱり分からないんですよね。なぜその訳になったか分からないモノで相手とコミュニケーションを取るのはちょっと危うい、と思いませんか?

 

英語が出来ない人は、相手に自分の思いを伝える事すらままならない、それは今も未来もあまり変わらないのではないでしょうか。結局は英語を理解できていることが大きなアドバンテージになるのです。

 

コミュニケーションがズレていく

関連して英語が分からない人はAIを使いこなせない、というお話です。

 

こんな状況を考えてみましょう。

会話の中で相手が「joyful」と言った言葉をAIが「嬉しい」と訳した言葉を自分が聞いた場合、あまりよく理解できないので自分は「嬉しいってどういう意味?」と聞き返したとします。

 

その時にAIが「What do you mean by “happy”?」と訳して相手に伝えたら、相手は「そんな事言ってないぞ?何言ってんだ?」となって、コミュニケーションが崩れて行ってしまうのです。

 

意味がいくつもある単語は珍しくもないですし、逆に一つの単語に複数の意味があるのも普通ですから、このような事が起こってしまうのは当然ですよね。

 

英語が理解できないのであれば、AIに頼った相手とのコミュニケーションも困難になってしまうかもしれないのです。

 

タイムラグがある

コンピュータによる翻訳にはタイムラグがつきものです。コンピュータに入力して、コンピュータが考え、コンピュータが出力するという流れはそれなりの時間を必要としますよね。

 

ただ、このタイムラグは機械が発展すれば限りなく0に近づくことになるはずです。

 

よって、ここで問題となるタイムラグは、また別のタイムラグです。言語の違いによるタイムラグです。

 

AIのラグは限りなく0にできたとしても、日本語と英語で決定的に違うところがあるせいで、違和感のあるコミュニケーションになってしまうのです。

 

その違いとは「文法の違い」です。英語と日本語では語順が違いますよね。

 

「鉛筆と消しゴムと紙を買ってください」
「Please buy a pencil and an eraser and paper.」

 

日本語は目的語が先に来て動詞が最後に来ますが、英語は逆です。

「鉛筆と消しゴムと紙」

の時点では、これらをどうするのかが分からないので、英語の文は始まらないんですね。つまり、日本語を全部言い終わってから英語で訳し始める必要があるのです。

 

これはリアルタイムの会話、会議での議論などでは相当大きな違和感になります。結構なストレスになるでしょう。

 

非リアルタイムなメール等ならまだ良いかもしれませんが、リアルタイムのコミュニケーションでは時間もかかるし違和感もあるしで、あまり好ましいAIの使い方とは言えないと感じますね。

 

こんなことやってたら、会話の相手はもっと話しやすい人の所に行ってしまいますよ。まぁ、通訳がついても同じことではあるんですけどね。ワンテンポ、ツーテンポ遅れたやり取りになってしまいます。

 

メールであっても、上で書いたように自分の意図が完全に相手に伝わるかどうかが分からない
不安定なコミュニケーションになってしまうので、微妙なんですけどね・・・。

 

という事で、やはり英語を理解して使える、という人が重宝されることになるのです。

 

非言語情報を機械が完璧に読み取るのは困難

 

会話をする時って、身振り手振り、目線を変えたり動いてみたり、言葉のテンポを変えてみたり、いろいろやってますよね。意識はしていないかもしれないですけど。

 

会話をする際、声のリズムや抑揚、ジェスチャーなど、非言語で表現される部分が9割にもなる、という意見もあるほどです。

 

機械は非言語部分的なところを表現するのが難しいと言われています。そりゃそうです、言葉ならある程度決まった単語、文法に沿って表現すればある程度は伝わりますが、非言語の体の動きなんかは表現できる訳がないですよね。機械は感情やニュアンス、ジェスチャーを感じたり表現したりが苦手なのです。

 

同じ文章で同じ発言をしていても、会話者双方の状態(けんかしてる、遊んでる、関心がない、とか)によっても、伝わり方はかなり違うはずです。この辺の表現が、AI君は苦手なわけです。

 

機械・AIに任せてもうまく伝達できない部分がけっこうある、という事を忘れないでください。

 

読み手・聞き手の事をイメージして伝えられるか

私たちは、目の前の相手の事を考えて、どうすればうまく伝わるかをリアルタイムに考えながら言葉を話していますよね。

 

伝わり方が微妙だな、あんまり伝わってないな、と思えば言い方を変えたり、ジェスチャーを交えたりと、試行錯誤をするはずです。

 

AIはそこまで出来るでしょうか。相手の反応を見ながら訳したり、という事はある程度できるようになるかもしれません。しかし、思い通りに伝わっているかどうか、という雰囲気をちゃんと感じ取る事ができる所までいけるでしょうか。

 

会話の相手が複数になってくるとさらに難しそうですね・・・。

 

また目の前に人がいない、という場合であってもAIには荷が重そうです。人間は目の前にいない人の事もイメージしてどう表現すればしっかり伝わるかを考えてコミュニケーションを取ろうとしますが、AIがそこまでできるのかというと?マークです。

 

そういった意味で人対人のコミュニケーションは、ただ言葉を訳せばよい、というわけではないのです。

 

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人間は成長する事に快感を覚える生き物

翻訳系のアプリって、使ってみると結構面白いんですよね。結構まともに返してくれたり、まったくヘンテコな返答をしてみたり、と。

 

AIの翻訳に触れる事で自分でもっとうまくコミュニケーションを取りたい!という欲求が沸く人も結構いるのではないでしょうか。

そういう人は好奇心と向上心がありますから英語なりなんなりを勉強して身につけて行くでしょう。そういう人は人生を彩り豊かに生きて行ける人なのでは、考える事が出来ます。

 

似たような話で、AR(拡張現実)・VR(仮想現実)で海外旅行を体験してみると、実際に行ってみたくなる、という事もありますね。

 

仮想はあくまで仮想、実際の体験とはやはり違うのです。人間の根本的な欲求を刺激することで実際に自分でやってみたい!という気持ちを引き起こす場合があるのです。

 

人間は自分で体験して成長したり幅を広げたりすることで「楽しい!」と感じる事ができる生き物なのです。

 

 

機械は自分の発した発言に責任を持たない

大臣、政治家、官僚などの発言って、ちょくちょく話題になります。ちょっとした一言で辞職に追い込まれる、なんて事もしばしばです。

 

そもそも失言で辞職していく政治家って多すぎませんか?それくらい発言には重い責任があるはずなのです。

 

しかし、機械は自分の発言に責任を持たない、というか持てないのです。

 

AIが失言をしたからといって、誰が責任を持つのでしょう?Googleのアルゴリズム、ひいてはGoogleが責任を持つとでも言うのでしょうか?そんなわけはないですね。

 

AIがおかしな発言をしても、「機械がテキトーに言ったことだから」で済まされてしまいます。そして、万が一そのせいで大損失を被っても誰も責任を取らない、という事になってしまうのです。(実質はそれを使っている会社が責任を取るのでしょうが・・・)

 

そうならないように、ここぞという場面では責任を持つ人間が自分の言葉で相手に伝え、相手の言葉をしっかり聞く必要が必ず出てくるのです。

 

英語を理解できる人の重要性が理解できて来ましたか?

AIが進化する度に英語の需要が増す

何を言っているんだ、と思うかもしれないが、これは事実であると確信しています。

 

なぜなら、AIによる機械翻訳の中心言語は英語だからです。

 

数千ある言語それぞれの翻訳を全て直接行ったのでは効率が悪すぎますし、Googleもそんなことはしていません。

 

世界には6900もの言語が存在すると言われているので、それぞれの言語で他の言語に対する翻訳プログラムを全て組むと、2400万ほどのプログラムが必要という事になります。これは不可能です。というかやればできますが、効率が悪すぎます。

 

上記の通り全ての言語ペアで翻訳プログラムを組み上げるのは困難なので、間に英語を挟む事になります。例えば日本語とスペイン語の間で翻訳をしようと思えば、

日本語→英語→スペイン語
スペイン語→英語→日本語

 

こんな感じです。日本語がその中心的言語になる事は残念ながらないですね・・・。

 

ただしこれまで述べてきたように、AIによる翻訳は完全に相手に伝わる事はありません。伝わったとして70%だと仮定してみましょう。

すると、日本語→英語で70%、英語→スペイン語で70%なので、日本語→スペイン語は0.7×0.7=0.49で、半分も伝わらない、という事になってしまいます。

 

となれば、中心言語の英語まで理解しておけば、AIを使って、70%程度はどんな言語の人とも意思疎通が取れる、という状態までもっていけます。

 

ということで、皮肉にもAIが進歩していくと英語の必要性が高まっていくことになるのです。英語は出来て当たり前、出来なくては生きていけない世界がやってくるのだと考えています。

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まとめ。AIの進歩と共にあなたの英語力を伸ばす必要あり

これまで見てきた通り、AIが進化してもどうしても埋められないコミュニケーションの壁があります。これを埋めるのは自分自身の英語力しかありません。

 

AIが翻訳を本格的に始めても、世界の中心的言語が英語である事に変わりはないでしょう。これまで見てきた通り英語を使える人間の需要は増していくのです。

 

機械に頼って英語を勉強しない人はコミュニケーションの世界から置いてけぼりをくらって、稼げない人たちになっていくのだと自覚する必要があります。

自分で努力することを放棄してしまったらダメ人間になっていくのは今も昔も未来も変わりません。

 

きちんと努力して英語を身につけ、意図や非言語的な所も読み取ってしっかり英語で表現できる人が重宝されることになるのです。

 

AIが進化する

簡単な文章、短文の伝達はAIでどうにかなる。

英語を勉強しない人が増える

AIではコミュニケーションがままならない場面は存在し続ける

英語を使える人が重宝されていく

 

こんな流れになるのでは、と考えています。皆さんも、AIに任せきりの未来を描くのか自分で努力していくのか、を考えてみてください。

 

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