今の世の中、効率を高めよう!質を良くしよう!と声高に語られています。社会に出れば「効率!効率!効率!」とうるさいほどですね。
確かに効率を高める事、質を高める事は大切です。しかし仕事であれ勉強であれ、何も知らない人がいきなり質の高い作業が出来るでしょうか?
恐らく不可能でしょう。
初心者に質を求めても仕方ないな
どうしても経験が必要になってきますよね。しかもある程度の期間をその作業に充てなければ、どう質を高めれば良いのか見当もつかないでしょう。
そして「質の高め方」を理解できるのはそれ相応の時間をかけた後、つまり「量をこなすこと」を経た後にしかやって来ません。
「量」と「質」どっちが大切か、なんて議論もたまに耳にしますが愚問ですよ。質というのは量をこなした先に現れるからです。つまり量と質は一体だと思ってもらえればいいでしょう。
量質転化とは~量は質に転化する~
皆さんは「量質転化」という言葉を聞いたことがありますか?あまり耳慣れない言葉かもしれませんね。
量が質に転化する・・・?どういうこっちゃ。
意味としては「一定量を積み重ねることで質的な向上が発生する」ということです。
う~ん、つまりどういう事だってばよ?
簡単に言うと「量をこなすと質が上がる」ということです。
「質や効率を上げたければ、まず量をこなせ!」という事です。あれこれ頭の中で考えるよりもまずはやってみよう!と、よく言われますよね。あれはある程度正しいわけです。
最初から楽をしようとすればおかしな方向に進んで失敗する、というのはよくある話です。人間、楽な方に流れて行きますからね。
できれば楽がしたい・・・
と考える気持ちは非常に分かります。しかし楽をしたいのであれば最初に「量」をこなしてしまうべきなのです。そして量をこなせば質がついてきます。
ただし、量をこなすにはある程度の時間が必要です。忍耐も必要になってくるでしょう。その道のプロと言われるような人も、最初は初心者であり圧倒的な量をこなしてきたはずです。
最初から出来ちゃうのは天才だけです。我々凡人は日々を、今を、量を、積み重ねるしかないのです。
量をこなす間は苦しかったり我慢をしたり、ということは当然あったでしょう。あのイチローも簡単にヒットを打っているように見えますが、裏では地道な努力を欠かさないと聞きます。
圧倒的な量の練習を積んでいるのです。ストイックに野球を追求できる人でないとあの領域までは到達できない、というのは私たちでも理解できます。
私たちだって自分の道で突き抜けたいなら忍耐をしつつ最初は量をこなすことが、遠回りなようでいて一番の近道なのです。
量をこなすにつれて、質が上がっていき、そして質が上がれば、さらに量をこなせるようになっていく、という好サイクルがうまれます。
最初はきついですが、何度も繰り返す内ある一定ラインを超えて「俺は出来る!」というレベルに到達した、そんな経験をしたことがある人もいるでしょう。最初はとにかく「量」です。
いきなり「質」を求めるのではなく「量」をこなすことを意識してみてください。
仕事も「量質転化」だ!
あなたはとあるイベントを開催するために、外部に仕事を委託したいと考えています。次の2人であれば、あなたはどちらに任せたいですか?
「100回のイベントをこなしてきた社員A」
「知識は十分に学んだがイベントにまだ携わったことのない社員B」
社員Aにお願いしたいという人が多勢ではないでしょうか。
これだけの数をこなしていれば、ノウハウも持っているはず、と考えますよね。つまり量が質を作っているであろうことを私たちは理解しているわけです。
私たち自身の仕事も全く同じです。
最初はちんぷんかんぷんの仕事も、1年2年と続けることで人に教えられるほどに成長していきます。その間には毎日毎日相応の「量」をこなしてきたはずです。
量をこなすことで仕事の質は上がり、間違いが減ってスピードも上がるでしょう。そして経験を積んだ後は現状の改善策を考えてさらに質を劇的に上げる、なんて事をやったりもするでしょう。量をこなして経験を積んだから出来る事です。
また資料作成の際に
「60%程度まで出来たら上司に見せる」
「100%になるまで見せない」
あなたはどちらですか?まぁ上司の意向による部分もあるので一概には言えませんが、前者、60%くらいの段階で確認しておくべきです。
方向性や内容に意識違いがないかを確認できるからです。そして何度か確認することでスピーディに質が高まっていきます。
資料は早めに見せるようにしてるわ
100%カンペキにしてから確認する場合、自分で思う100%に仕上げるだけで時間がかかりますし、もし方向性がずれていれば大幅な修正が必要になり、さらに余計な時間がかかってしまいますよね。
これも「量質転化」です。質を求める前に、まず上司に確認するという「数・量」をこなすのです。
勉強も「量質転化」だ!
受験勉強だろうが資格試験勉強だろうが、最初はちんぷんかんぷんですよね。
それでも毎日少しずつ積み上げて行くことで合格できるだけの実力を身につけて行くことが出来ます。
膨大な量の勉強をこなして自分を高めて合格する。まさに「量質転化」です。
TOEICでいえば、初心者が公式問題集1セット分を真面目に解こうとすれば、とても2時間では終わりません。
しかし何度も繰り返し解くことで、いずれ2時間、1時間半といった時間で解けるようになります。そして圧倒的な量の問題をこなすことで、ハイスコアを取れるくらいの実力者になっていくわけです。
私自身、900点超のスコアを取るのに16,000問の問題を解きました。量をこなしたのです。
まさに「量質転化」と言えます。
昔は単語帳と公式問題集の1冊や2冊で効率的に勉強しようとしていました。しかしどうしてもスコアは伸びませんでしたね。結局は圧倒的な量をこなすのが一番の近道でした。
あの量をこなす日々が結果に繋がったわけだ
↓私の中でのTOEICでの量質転化の象徴は、「メガドリル」ですね。
Part1・2・3・4とPart7を解きました。圧倒的な量を解いた先の世界は確かに違って見えました。次の記事2つを参考にどうぞ。
成功の反対は失敗ではない
量をこなすことで得られるもの、それは「失敗」です。
え?成功じゃないの?
そう、失敗なんです。試験問題を解いていて膨大な数の間違いを経る、仕事をやっていて幾度となく間違いを指摘される。失敗の繰り返しです。
成功なんて最後の最後にやってくる、それだけです。量をこなした結果として自分の元にやってくるだけなんです。
成功は失敗を繰り返した先にあります。
自分の子供が自転車の練習をするのを見ていてつくづく思いました。何度も何度も乗ってこいで転んで泣いてを繰り返していました。何度も何度も失敗を繰り返しているわけです。
量をこなして失敗してそして苦しいのです。でもなぜ続けるのかといえば、自転車に乗れるようになりたいから。
親も、「何度も練習すれば絶対乗れるようになるから!」と子供に言い聞かせて練習させますよね。
自分も昔はそうやって自転車に乗れるようになったんだったな。今やってる仕事とかも全部同じだ。
「自転車に乗りたい」という目標を持って、何度も何度も挑戦して失敗して、ある日ようやく何とか乗れるようになります。
まさに「量質転化」です(この記事で何度目?笑)。そして乗れるようになればさらに速くこいだり、遠くに行ったり、といった事が出来るようになるわけです。
量→質→量という好サイクルです。
自転車の練習で「転ぶ」というのは必要な失敗なわけです。そして、量をこなさなければ必要な失敗を得られません。挑戦したからこそ意味のある失敗をする事が出来るのです。
マンガ「宇宙兄弟」で南波六太が言った言葉に
本気の失敗には価値がある。
というものがありました。本気で量をこなして失敗してこそ、そこから得るものが意味あるものになる、ということで非常に好きな言葉です。
成功の反対は失敗ではなく、「何もしないこと」です。何もしなければ成功も失敗も生まれません。他の人はその間に前に進んでいますから、何もしない自分は相対的に後退していることになります。
「とにかくやってみる」
これを意識してみてください。
量質転化 まとめ
いかがでしたでしょうか。
最初は効率や質ばかり求めずに、「まずやってみろ!量をこなせ!」を意識することが大事だということを書き殴ってみました。
そして、成功には失敗が必要だという事も何となくでも理解していただけたでしょうか。
泥臭いかも知れませんが、まずは量をこなしていく事が必要なんだ!と考えれば、時間がかかったり苦しかったりしても、何とかモチベーションを保つことが出来るのではないでしょうか。
量をこなす事がライフワークになってる奴は強い
量をこなすことは悪ではない、むしろ「必要不可欠」という事を意識して何事も取り組んでみてください。
そうすればあなたが取り組んだ「量」は「質」へと昇華し、成功への道となるでしょう。
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