私快晴さんぽは数年前にうつ病を経験しました。
ちょうど東日本大震災が起こった後でしたので、その影響も多少はあったかもしれませんが、メインの原因は仕事上のストレスでした。
うつに陥っている最中は自分の心身の不調に起因して
・世界の終わり感
・将来への不安感
・単純な気分の悪さ
・体が動かない情けなさ
のようなモノを延々と感じ続けていました。起きている間はずーっとです。心休まるのは意識のない睡眠中だけ、という毎日です。
その睡眠も中途覚醒・早朝覚醒ですぐに妨げられてしまう・・・。うつの経験者は誰しもこんな経験をしていると思う。
うつ病は特殊な病気ではなく、誰しもが掛かり得る病気です。
多分、過度なストレスや辛辣な環境への体の「拒否権」的な反応だと思うのです。
「俺の体はこんな状態では動けない!!」
という素直な反応です。
そして私自身、今現在は寛解していますが、うつ病を患う前と後では考え方が大きく変わったなぁ、と感じます。
うつ病を患う前は、今思えばすごく生き難い考え方をしていたなぁ、と思うのです。
今回はうつ病になったからこそ分かった事をいくつかご紹介したいと思います。
うつから抜け出した一人の人間の意見として受け取ってほしい。
うつ病になったからこそ分かったこと
では、うつ病にかかって理解したことを色々とご紹介していきたいと思います。
あくまでも一個人の見解として捉えて頂ければと思いますが、長いうつのトンネルの中でもがいている方の一筋の光になるような内容になっていれば幸いです。
「病気になったから人生終わり」ではない
うつ病を経験して苦しい思いを重ねてきましたが、復調した今ではそれら全てが人生の糧として活きているという事を実感しています。
今この時点で苦しい人は、
寛解した後の事なんて今考えられるか!
という思いだと思います。その気持ち、十分理解できます。私もそうでしたから・・・。
しかし、人間は限界を超えたストレスがかかれば身体が自分を守ろうとする反応で動かなくなる一方、環境を変えたり考え方を変えたりしていく過程で元気な状態へ戻ろうとする力も確実に持っています。
今のどん底の状態が永遠に続くわけではない事を理解して日々を過ごして行って欲しいです。
人間の心・体は振り子のようにゆらりゆらりと揺れている。時に後退する事もあるけど3歩進んで2歩下がるくらいの地道な進み方でいいのだ。良い方向へ進むと信じて生きたて欲しい。
心が強い人ほどうつ病にかかりやすい
心が弱い人は、早めに自分の限界を察知して逃げることで深刻な心の落ち込みを回避している場合が結構あります。
逆に心が強い(と自分が思い込んでいる場合含む)人は、限界を超えても頑張ってしまい、心身が壊れてしまう、そんな人を何人か見てきました。
私もどちらかと言うと我慢強い方でして、鬱状態に陥ってからも無理やり会社に行って死にそうな目をしながらも仕事をしていました。
それが災いして長い低空飛行の期間を過ごす事になってしまったのです。
つまり、心が弱いからうつになるとか心が強いからうつにならない、なんてことは全くないのだと理解したんですよね。
限界を超えてしまえば心が強かろうが弱かろうが、素直な反応として心身が動かなくなってしまう訳です。
「自分は大丈夫」と高をくくっている人ほどうつ病など心の病に注意した方がいい。
それぞれが苦しい思いを抱えている
うつ病を患う前は、
「元気そうな人」
は
「本当に元気な人」
なのだろう、という表面的な部分しか見ていませんでした。
しかし、自分もなるべく苦しさを顔に出さないようにしながら仕事をしていましたので、実は「元気そう」に見えても「胸の内は苦しい思いを抱えている」のかもしれない、そういう人も多分沢山いるという事を理解できるようになりました。
程度の差こそあれ、人はそれぞれ苦しさを抱えながら生きているんだ、という相手への理解と共に、苦しさを抱えている人がいたら力になりたいと考えています。
心身の不調と付き合う術が感覚的に理解できた
うつ病が寛解したからといって完全に治ったか、つまりうつを患う前の状態に戻ったかと言うとそうではありません。
ストレスに対する心や体の反応が今でも出ますからね。
つまり、「うつ病が治る」というのは「うつ病を経験して心身の状態が変化した後でもしっかり生きて行ける」状態と同義であると感じているわけです。
「うつ」というのは一生付き合っていくものなのだと理解している。
一生の付き合いを悲観しているわけではありません。うつを経験して成長できた部分も大いにあります。
身体や心の不調をうまくいなして生きていく、そんな生き方が自分の生き方になっただけの事です。
別にうつじゃなくても心身の不調を抱えた人なんていくらでもいる。みなそれぞれ折り合いをつけて生きている。それでいいのだ。
うつ病の症状は体に現れる
うつ病を患う前は、うつというのは「心の沈み込み」、つまり不安や気分の悪さ的な症状が中心なんだろうな、と思っていました。
というか、うつの症状の事などあまり深く考えたことがありませんでした。
しかしいざうつに陥ってみると、体への症状が私を苦しめる事になりました。
・不眠
・早朝覚醒
・食欲不振
・吐き気
・ヒステリー球
などなど、ストレスに起因するうつ病の典型的な症状に悩まされたわけです。
この身体症状がけっこうキツかったのだ・・・
ヒステリー球や吐き気などは、仕事をする上で人と話したり会議の場でプレゼンしたりするような時にとても厄介なんですよね。
つまり身体症状によって仕事がままならなくなり、その結果さらにストレスがかかってうつ状態が悪化するという悪循環・・・。
うつ病というのは心の症状だけでなく、体の症状にも気を付ける必要があるのです。
苦しい時は休んだ方が良い
私は心身の状態が地を這っているにも関わらず無理やり仕事をし続けたため、症状を悪化させてしまったんですよ。
そりゃぁ、過度のストレスを受け続けていたら体は悲鳴を上げてしまいますよね。
でも当時は「会社を休むことは悪」「他の人に迷惑がかかる」といった考えから抜け出せなかったのだ。
今は考え方が変わってきていまして、自分の心身が壊れてしまうくらいなら会社を休んで少しのんびりすればいい、という風に思っています。
自分がいなきゃ会社が回らない、なんて考えるのは愚の骨頂です。会社は自分がいなくてもどうにかなります。
誰かが休んでも会社を回すのが会社の役割だからな。
逆に自分が壊れてしまったら替えは利きません。自分の心と身体を守るために休むときは休む!で行きたいところです。
薬は万能ではない
うつ病と診断されてから、様々な抗うつ薬・抗不安薬を服用してきました。
脳に作用してセロトニンの分泌をあーだこーだする薬とか色々飲みましたね。
そんな中、ソラナックスなどの抗不安薬は即効性があるのでとても重宝しました。
抗不安薬はヒステリー球や吐き気に対してすぐに効果が発現するのでかなりお世話になった。
ただ、ベンゾジアゼピン系の抗不安薬は依存症が指摘されていたりしますので、手放しで乱用するわけには行きません。
そして抗うつ薬もキツイ副作用があったりと使い方は要注意なんですよね・・・。
とある抗うつ薬は便が緩くなってたまにお漏らししてしまったり、別の抗うつ薬は強烈な眠気をもたらしたり、などなど結構きつかった・・・。
そして薬を飲み続けていても、うつの症状が改善しているかどうかも分からない状態を長く過ごしました。一方副作用は相変わらず不快な症状をもたらし続けました・・・。
個人的な見解ですが、抗うつ薬は私には合っていなかったな、と今は思います。
もちろん急性の症状だったり原因と対処法が明らかな症状だったりの場合は薬が命綱になり得ますので薬を全否定するわけではないのですが、自分自身の治る力を信じて薬に頼り過ぎない過ごし方を考えてみるという事も必要だったな、と今では強く思います。
私の場合は散歩・ウォーキングが明らかにうつに対して効果がありましたね。血流の改善によって脳や体に好影響があったみたいです。
ウォーキングは万人におススメしたい・・・!
↓ウォーキングなど、うつに効果のあった行動・考え方はこちらを参考に。
仕事が人生の全てではない
うつを患うまでは仕事をするのが当たり前、自分を多少犠牲にしても仕事に時間や稼働を捧げるのが当然、と考えていました。
そんな生き方を疑いもしない、という人生だったのです。
しかしうつ病になってから、
「あぁ、そんな考え方だからうつになったんだ」
と妙に納得して今に至ります。
むしろ仕事は人生を生きるための手段に過ぎないんだと考えるようになったのです。
仕事のために自分を使うのではなく、自分のために仕事・会社を使ってやる、くらいの気持ちで良いんだと、今では思えます。
健康を壊してまで働く意味などないです。仕事は人生のほんの一部分、くらいの心持ちで行きましょう。
手を抜くのは悪い事ではない
仕事に対する考え方と似ていますが、うつになるまでは結構完璧主義なところがありました。
なんでもかんでも手を抜かずに全力で100%まで仕上げようとしてしまうんですよね。妥協を知らない、というか・・・。
でも、そんな完璧主義の状態が長く続くわけもないんです。仕事の難易度も上がって徐々に思い通りに行かない事が増えて行きました。
そしてうまく行かなくなると自分を責める、そんな事が重なるともうダメです。心にガタが来てしまいます。
完璧主義な人って、物事がうまく行かなくなった時にうつに陥りやすいみたいね。
人間、能力や考え方なんて色々です。得意分野もあれば苦手な事もあります。
全部が全部うまくやれる、なんて思い上がらない方がいいです。
完璧に出来なかった事を自分のせいにしない事です。きつかったり苦しかったりしたら手を抜いたっていいんです。
むしろ、手を抜く事がうまく行くコツだ!くらいの考え方で良いんですよ。
まとめ
ということで、「うつ病」を患ってからの心の変化と考え方について持論を述べてみました。
今現在進行形でうつに苦しんでいる方は、ぜひとも、
「今はとても苦しいが未来永劫これが続くわけではない」
という事を頭の片隅に置いて過ごして欲しいですね。
何でもかんでも背負い込まない事だ。一度の人生、気楽に行ってみようよ。
いつか「うつのトンネル」を抜ける時が来ます。
その時に「あの時、回復すると信じて良かった!」
そう言える時が来ることを願って。
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