KYB(カヤバ工業)の免震・制震装置の検査データが改ざんされていた、という不正が発覚して大問題となっています。
ビル・家屋などで用いられていて、地震の揺れを抑える免震・制震ダンパーでのデータ改ざんです。
西暦2000年くらい(データが残っているのは2003年)から改ざんが行われていたということですが、その間東日本大震災や熊本地震、北海道地震などなど、幾度も地震の被害が報じられていたのにも関わらず不正を続ける会社って、いったい何なんだろうと純粋に思ってしまいます。
そもそも人の命に関わる製品でデータを改ざんする会社に「改ざん品が使われていても安全性に問題はない」と言われても、
んなもん納得できるか!
って言いたくなります。
不正を働く会社の言う「安全性に問題はない」ほど信用できない言葉はないよな、と思うのは自分だけ・・・?
「直ちに健康には影響がない」レベルで信用ならない
じゃぁそもそも基準って何なの?って話になりますからね。不正品でも安全なんだったらそれを基準にすれば?って言いたくなります。
最近は色々な企業でいくつも改ざん・偽装問題が発覚してきたから、「うちの会社も今のうちに・・・」という儚い自浄作用が効いたのでしょうかね・・・。
我が家で問題の制震ダンパーが使われていないかを確認しなきゃ・・・
今回はこのような改ざんや偽装などの不正が起こる土壌について思う所を述べ、更にはどうすればこのような不正をなくす事が出来るのかについて考えてみたいと思います。
地に落ちる日本のモノづくり
「技術立国日本」とかもう鼻で笑われるレベルの言葉に成り下がってしまっちゃってます。
もう「不正な技術が盛んな日本!」になってしまってますよ。
今までも数々の企業で不正が明らかになりました。どうなってんだか・・・。
不正で目先の利益を確保しても結局はバレて修繕費や補償費によって経営が傾く例がたくさん出てきましたよね。
最近はカジュアルに”内部告発”が流行ってきてる感があるからな…。不正は遅かれ早かれバレると思った方が良い。
不正を働くことは自分で自分の首を絞めている事と同じだと気付かない限りいつまでも後を絶たないのでしょう。
う~ん、気付いても会社の風土が邪魔して無くならない不正も多そう・・・
偽装・改ざんをしてきた会社たち
偽装やデータ改ざんを続けてきていた会社たちを見てみます。幾つかをピックアップです。
これだけ多くの企業が不正で経営を危うくしているのにまだ改ざんとかやってる会社があるのかと衝撃的です。
とは言え氷山の一角なんでしょうけどね。発覚した数の10倍~300倍(!)は見とかないといけないのかもですね・・・。
ハインリッヒの法則的にな
2000年発覚「三菱ふそう」リコール隠し
乗用車およびトラック・バスでの大規模なリコール隠しが問題となりました。
リコールにつながる重大な不具合通報、つまりクレームを運輸省へ通報せず社内で隠ぺいしていたことが、三菱自動車社員による匿名の内部告発によって発覚したのでした。
誰々のロッカーとか机の中を調べろとか生々しい報告だったらしいな。
正に「臭いものに蓋」だった社内風土を一人の社員が突き破った、という感じでしょうか。
せっかく顧客から製品の不具合を指摘してもらったのにそれに対処せずに隠す、つまりリコール対応による多額の費用発生を回避するため、目先の利益を確保するために隠そうとしたわけです。
結局この不具合を放置した結果、ブレーキの欠陥による事故が起こりけが人が発生するという事態に発展しています。
下手をすれば死人が出ていてもおかしくないわけです。
内部告発ってすげー、と若い時分ながら衝撃的だったことを覚えています。
2015年発覚「東芝」不正会計
日本メーカー凋落の象徴、利益を水増しした粉飾決算問題ですね。6年間も続けていたというから驚き。
この件以降、ホントに不正発覚が増えた。サザエさんのスポンサーもAmazonとかになっちまった・・・。一つの時代の終焉だ。
トップはあくまで「直接的な指示をした認識はない」という見解。責任感の希薄さがにじみ出てました。
「俺関係ないし・・・」
という隠し切れないやるせなさが。
東芝という会社の風土が「空気読め」的で、不正を指摘することで左遷される事を恐れた役員や社員たちがなぁなぁの中で働いてきた、という体たらく。
そしてメディアは「粉飾決算」という言葉を使わずに「不正会計」「不適切会計」というい言葉でお茶を濁していました。
まさに大企業とメディアがグルになって何とか不正を穏便に終わらせようとしたわけですす。
「いや、東芝デカいスポンサーだし、ここは穏便に・・・ね?」
というお粗末な対応。
結局はそういった不誠実な対応もあだとなって医療機器事業や半導体、テレビ、パソコン事業といった主力事業を次々に売却して息も絶え絶えです。
ウェスタンデジタルとのごたごたとかも「何やってんねん・・・」レベルの対応で、もうかつての巨大企業は見る影もなくなってしまいました・・・。
2015年発覚「東洋ゴム」免震装置ゴムのデータ改ざん
地震対策でビルなどに使われる「免震ゴム」で大規模なデータ改ざんの不正が発覚しました。
しかもこの免震ゴムの再発防止策を完了して「安全宣言」を発した直後に船舶や鉄道に使われる防振ゴムでも不正が発覚したのです。
この防振ゴムの不正はコンプライアンス研修後の内部通報で発覚したという事で、「コントかよ!」と思ってしまうほどの清々しいダメっぷりです。
その後幾ら安全な製品を出荷しているとしても、こういう企業の製品は買いたくなくなっちゃいますよね・・・。
2017年発覚「タカタ」のエアバック破裂隠ぺい
破裂に繋がるエアバッグを、その危険性があると認識した上で隠ぺいした疑いが持たれていました。不正期間は2000年~2008年。
試験で破裂に繋がる兆候が見つかったにも関わらずそのデータを消去していたんですね。兆候を見つけたのは2004年の出来事と言われています。この時に改めていればまだ傷は浅かったものを・・・。
事故の時にエアバッグが破裂して機能しなかったら・・・。人死にますよ?
大規模なリコール・訴訟を起こされて、タカタは1兆円超にもおよぶ費用を突き付けられることになります。
人の命に直結する製品を作っている自覚があるとは思えない会社の顛末でした。隠ぺいを続けた結果、莫大な負担を負うことになった何とも情けない事例です。
ほんと、初期段階で分かった時点で「ごめんなさい」して真摯に対応すれば何の問題も無かったはず。
2017年発覚「日産」無資格検査
無資格の従業員が車両の最終検査を行っていたことが発覚した問題です。
コスト削減のためにやっちゃいけない事をやったというイメージですが、なんでこんな事をやるのか。
それは無資格の人間が検査しても有資格者が検査しても結果は何も変わらないから。
であれば安い人件費でまかなった方が良い、という何ともお粗末なオペレーションと言わざるを得ません。
しかし資格は資格、意味があって制度があるのであれば、それを逸脱するのは「わが社はちゃんとした車を売るつもりはありません、ぱっぱらぱー」と言っているのと同じ。
バレたらただでは済まない事が分かり切っているのにやっちゃうのが何だかなぁ、という感じ。
250億円ものリコール費用を発生させると共に、「認定の検査員が100%検査を行うようになった」という社長の発言の後も実は無資格検査が続いていたというお粗末ぶり。
トップまでの報告経路が全くなってない事を露呈する結果でした。「嘘つき会社」と言われても仕方ない状態になってしまったのです。
2017年発覚「スバル」無資格者検査、ブレーキ検査の不正
同じく車両の無資格者による検査によって42万台のリコールを発生させた問題です。
しかも2018年にもブレーキ検査で不正が見つかって数千台規模のリコールとなっています。
いや、ホント自動車業界は不正が多いですね。
逆に考えれば自浄作用があると言って良いのか?いや良くない気がする・・・
2017年発覚「神戸製鋼」アルミや銅製品でのデータ改ざん
自動車や航空機といったメーカーの要求する強度や寸法などを満たしていない場合でも検査データを改ざんして出荷していたという問題です。
なんと1970年代から不正が続いていたと言います。
さらには品質の最終チェック者であるはずの幹部自らが不正を指示していたというから、もうそういう社風なんだろうなと思うしかありません。
強度不足の飛行機や車なんて乗りたくないわ
とにかく神戸製鋼の社内ではプレッシャーが渦巻いていたとか。
どんどん生産して売り上げを上げなければならない、納期を守らなければ他者に負けてしまう、といったプレッシャーが。
そういったプレッシャーはどこの企業でもあるでしょうが、だからといって不正に手を染めていいという結論にはならないはずです。
幹部から指示されたら社員は従わざるを得ないですよね。。極めて悪質な不正でした。
2018年発覚「KYB(旧カヤバ工業)」の免震・制振装置
そして2018年10月、今回のKYB(旧カヤバ工業)です。
ビルや家屋などの建築物に使う免震ダンパーの不正が発覚し、7割以上が基準を満たしていない可能性ががあるという問題です。
中には性能検査で基準値と40%以上もズレがある不合格品もあったという事で、KYBの製品を使っている建造物内で過ごす人は恐くて仕方ないと思います。
よくそんな基準外れ品を出荷するよな・・・。我が家は多分、大丈夫。。
「自分さえ良ければ人の命はまぁどうでも?」という意識が如実に感じられる胸糞の悪い不正ですね・・・。
人の命に直結する製品での愚行
エアバックや自動車、そして免震・制振装置のデータ改ざんは、いずれも人の命に直結する製品での不正です。
この偽装が原因で人が死ぬかもしれない、ということを理解していないわけではないと思うんですよ。
しかし組織的に不正の土壌が出来てしまっていればやらざるを得ない、という状況は理解できてしまいます(理解したくはないですけど)。やらなきゃ自分の立場が危うくなるわけですから。
ただまぁ今の時代縦割り組織ばっかりですから、人の命に影響するなんてことが本当に頭の中にないのかもしれない可能性だってありますね。
発覚した後から考えれば、「どこかで止められたはず!」なんて事はいくらでも言えますが、不正が続いてきた背景には何とも逃れられないがんじがらめの体制があったんだろうな、というのは想像に難くありません。
最近は内部告発による不正発覚も増えてきて、なんだか息が詰まるなぁという思いもありつつ、今まで溜まりに溜まってきた膿を出し切るには必要な事なんだと思います。
日本で偽装・改ざんがはびこる原因
数々の偽装や改ざんが続いてきた背景には共通的な原因があるのでないかと考えています。
少しその原因について考えてみます。
技術者軽視
日本は特に技術者軽視の風潮があると言われていますね。
「コストをカットして性能を上げろ」
いや、出来るなら最初からやっているんじゃ・・・、と思えることを平気で命令してきます。
経営陣や営業陣からの無茶な要求に頭を悩ませて何とか開発・製造しても給料が上がるわけでもない。
そりゃぁ数字をごまかして適当に開発して作っちゃうよな、っていうのは想像できますよ、素人でも。
んで上も細かい数字とかみないもんな。自分で指示しといてバカなんじゃないかな。
きちんとしたモノを作る技術者へのインセンティブを考え直す時期なんじゃないでしょうか。
コミュ力(笑)を重用した結果
「コミュニケーション力が大事だ!」とか言って口のうまい人を重用してきた結果なんじゃないかな、とも思います。
「声が大きかったり」「ごまかしたり」「ゴマをすったり」がうまい人が上に登って、何でもかんでも「なぁなぁ」のなれ合いで事を進めてきた結果なんでは、と。
大切な事を煙に巻くような人が作る体制ばかりになってしまった事が問題の一翼な気がするんです。
まじめで実直にやってる人が損するようなそんな社会。そんな社会・会社であれば当然“ごまかし”がはびこるだろうなぁ、という率直な感想。
上の立てる目標が現実を見ていない
現場たたき上げではない人選で上が配置されると、現場の声や実情を無視した命令が多くなる、当たり前のことです。
もちろん叩き上げでも現場軽視の人はいるとは思いますけども。
まさにどこの企業にもある現場軽視の風潮
そして現実味のない無理目な目標を設定され、下は頭を抱えながらなんとか奮闘する。しかし目標を達せずに数字ごまかしに走る・・・。目に浮かぶようです。
上の立てた目標が非現実的なのであれば、国の基準がおかしいのか?という疑いさえ出てきます。
国の基準がおかしいのか、企業の技術力が低いのか、せめてそこだけでも明らかにしない限り前には進めませんよ。
技術者の人材不足
どこの業界でも技術者不足にあえいでいます。
学生たちも「技術者になっても夢がない」とでも言うかのように、理系?やだよ!という人も沢山。
技術者を育成しようという風土がなければそりゃぁ人材が育つわけありません。人材が育たなければ無理目な目標達成のための資源が乏しい事と同義です。
風土と言うのは待遇面や働きやすさ、色々あると思いますが、日本は何でこんなに軽視するんでしょうね?
「技術力のにっぽん」が聞いてあきれます。
人材育成に割く余力がない企業も多いでしょうし、逆に育成に力を入れようとするとマンパワーが足りずに書類作成などの事務処理が遅延して工期が遅れる、等の板挟み。
そりゃぁ人材不足にもなりますって・・・。
小さな不正に目をつむる風潮
「本当はダメだけどね」と言いながら小さな不正を積み重ねる現場。
「少しくらい基準品質に足りなくても大丈夫」
「無資格者が検査したって変わらない」
「沢山クレーム来てるけど隠ぺい隠ぺい」
そんな不正が日々どこかで行われているのでしょう。
そしてその不正を通報しようとしても「上にもみ消される」「自分の立場が危うくなる」といったコンプライアンス意識の欠片もない風土が出来上がってしまっている企業も沢山あるのだと思います。
「ちょっとくらい良いでしょ」
の気持ちが根本的に変わらなければいつまで経っても不正は無くならそう・・・。
バレなきゃ良い、の風潮
改ざんを続けたとして、いずれ発覚して大事になるとは思わないのでしょうか。
「バレなきゃ何してもいい」
という愚行者の思考が今でも横行しているのでしょう。
多分発覚していない不正がまだまだたくさん眠ってるんじゃないでしょうかね。
一度「うそ」をつけばそれを取り繕うために次々とうそ・偽装・改ざんを積み重ねなければならなくなります。
「発覚するころには俺は辞めてるから」はもう通用しないはずなんですけどね。会社を退職した幹部も事情を確認されますから。
そして
「俺は知らない」
「記憶にない」
「指示していない」
「現場が勝手にやったこと」
「初めて聞いた」
「安全性に問題はない」
社長をはじめとした幹部がこんな言葉を発するのでは「この会社、もうだめだな・・・」としか思えなくなりますね。
知らなくても指示していなくても責任はあなた達にあるんだからそこをまず認めないと。
上の言うことが絶対
年功序列が長く染みついた日本の企業では「上にいう事は絶対」という風土が確実にありますよね。
間違った事を上が指示してきたとしても「上からの指示だから・・・」と言って対応してしまう。
私も今まさにそんな仕事に取り組んでる。。不正とかではないけどホントモチベーション上がらない。
カタチだけ「成果主義」のまねごとをやってる企業もありますけど、未だに”偉い人”、”年次が上の人”のいう事には逆らえないという風土が不正の土台になっている可能性は十分にあります。
稟議が形式行為に成り下がっている
上役は稟議の承認時に全然確認してないんじゃないか、と思う事もしばしば。
承認ボタンポチっと押すだけ、承認のハンコをタンっと押すだけしかやってない予感。
いる意味ないんじゃないの?そんな人たちは、という思いが巡ります。
前述の具体的な不正案件の中でも、「知らなかった」という社長の言葉だったり幹部が自ら不正を指示したりと、不正を止めるべき立場にある人がその役目を放棄しているとしか思えないんですよね。
そもそも国の定めた基準がおかしい?
国の基準が高すぎる→幹部が高い目標を設定する→高すぎる目標を達成できずに現場が疲弊する→数字を改ざんしてでも目標達成に見せかける
こんなフローが容易に浮かびます。
何十年も前から変わっていない基準も多そうですから、明らかに現実に即していない基準は改めたらいいんじゃない?とは思います。
役人の天下り先として潰さない
スポンサーを直接的には「ないがしろ」に出来ないメディア、という話もありましたが、役人にとっても天下り先としての企業が無くなると困るから強硬手段に出る事が出来ない、というお粗末な関係があります。
潰しちゃったら天下り先が減るからねぇ
結局は役人も自分の立場が危うくなるくらいなら、不正が発覚してもなぁなぁで済ませとけばいいか、という思いに囚われるのかもしれません。
すると「不正をしてもどうせ潰れやしないし♪」みたいなアホな考えが蔓延ったり、「役員報酬や退職金だって別に返す必要もないでしょ?」みたいな傲慢な幹部がばっこする状況になっちゃうわけです。
不正が発覚したら、不正が続けられてきた時に当事者だった役人や経営陣を厳しく罰するくらいの法律がないともうダメなのかもしれないですね。
不正のない社会へ
不正が無くなれば良い、理想論としてはそうです。しかし不正が”ゼロ”になる事は有り得ないでしょう。
人間は弱い生き物だから、少し基準から外れてしまう事も許容しながら生きて行くしかないよ
それでも人の命を脅かす事になる不正は何としても止めようよ、という気持ちはあります。
人が変わるべき部分、仕組みが変わるべき部分、両方あると思います。
不正が少しでも減る社会にするにはどうしたらいいのでしょうか。
教育を変える
結局は「うそをついても良い事ないよ」「悪い事したら絶対にバレるから」「ごまかしたら自分が苦しむだけだよ」、ということを子供の頃から刷り込むしかないんじゃないでしょうか。
そのためにこのような改ざん・偽装をした会社を引き合いに出し、現実を学ばせる必要があるかと。
とは言ってもただ単に「その会社は負債を〇〇億円抱えて経営破綻しました」なんていう上っ面な事だけを教えても意味がありません。
「あ、倒産したのね、ふ~ん。」
で終わってしまいます。
それでなくとも学校って「良い事ばかり」「美しいことばかり」教えてるじゃないですか。それじゃぁもうダメなんじゃないかと考えています。
不正をして経営破綻したのなら、「家族が路頭に迷って食べることが出来ずに餓死をした」とか「職を失った家庭で子供が荒れて親を殺害した」とか「生活に窮して学校を辞めて働かざるを得なくなった」とか、実際に巻き込まれた人間に起こる「闇の面」とちゃんと向き合わせないと。
不正をすれば自分や家族の人生が壊れるんだ、という事を意識させるんだ
「不正をやると内部告発によって絶対バレるからね?バレたらもう人生めちゃくちゃよ」
と言うことを何度も教え込む必要があるのではと思いますね。
ニュースとかだって、交通事故で亡くなった人のことを「頭を強く打って」とか「全身を強く打って」とか表現をぼかすじゃないですか。
生々しく表現するのが悪であるかのように。そんなんじゃ現実感なんてないでしょ?
それまで生きていた人が、そんな曖昧な気の抜けた状況で死んでいったワケないんですよ。一瞬だったかもしれないですけど極限の苦痛の中亡くなっていったはずなんです。
無謀運転、煽り運転、飲酒運転をしていたら「こういう悲劇的な事故が起こる。自分にも起こる。」という実感がわかない。
交通事故という悲劇を起こさないためにニュースにしているのなら、伝える時に正確に伝えても良いんじゃないかと個人的には思っています。「美しく放送して視聴率を取るため」というなら別にいいですけども笑汗
・・・話がそれました。
個人個人の倫理観をちゃんと育て上げよう、って話です。
ただ、個人がちゃんとしてても組織として不正をやる体制・風土になってるとどうしようもない場合もあるのでそこにもメスを入れる事が必要です。
個人の倫理観が上がればそういう風土も徐々に変わると信じたいところではある
不正継続時の経営陣・役員の責任をきちんと取らせる
「バレなきゃ勝ち」「逃げたもん勝ち」がまかり通ってはいつまでたっても不正は無くならないでしょう。
むしろ現経営陣の下できちんと内部告発がトップまで上がってきたのであれば、現時点の経営者の責任を不問とまでも行かないまでも軽くするくらいの措置があってもいいのではとは思います。
もちろん外部からの告発とかで明らかになったなら話は別ですけど
逆に不正継続当時の経営陣・役員たちに対して「知らなかった」「覚えていない」「指示していない」では済まさない事の方が大事。
不正を見逃し続けてきた、あるいは自ら不正を指示してきた経営陣、役員、実行社員などに対して、現時点の退職や現役に関わらず厳しく責任を追及すべきだろうとは考えます。
役員などの役員報酬返納、退職金返上とかね
そうすれば少なくとも自分の代で不正がないかを徹底的に明らかにしようとする風土が出来るはず。
組織の仕組みを変える
「不正をしない社会」にするには不正を許さない社会にする方法が考えられますけど、やり方を間違うとギスギスした世の中になるんだろうなぁとは思います。
「内部告発者には報奨金!」とかやってたら、監視社会になるじゃないですか・・・。ちょっとでも悪い事やってたら「チクってやろうぜ!」って絶対なりますもん。
まぁそれで良いのかもしれないけどな・・・。ただ、気に入らないやつを落とし入れるための虚偽の内部通告とかも増えそうでヤダな。
そうではなくて、どこかの段階で必ず不正が止まる仕組みがあれば良いんですけどね。
例えば
・実験や検証をしているならその状況を幹部が必ず確認する
・稟議を回すときに形式的ではない確認の仕方を導入する
・失敗を「良い事」「成功の元」として奨励する制度を作る
・検査機関を社外に置いて第三者的に公正に検査する
・抜き打ち検査をやる
などなど。。
まぁ思いつきなのでこの程度ではどうにもならないかもしれないですし、簡単に実現できるわけでもない事だと分かって書いています。
分かってはいますが、言わなきゃ始まらないよな、とも思います。社会に生きる全員が考えて発信することが大切かと。
変えて行く気運を作る、ということ
不正が止まらない場合は
あなたが勤めている会社で不正を止めようとしても止まらないのであれば、そんな会社はあなたの方から切るべきでしょう。
不正に加担したとなればヘタをすれば刑事事件としてお縄になってあなたの人生が狂ってしまう可能性だってあるわけですから。
不正が横行するような会社からはあなたの方から去るという決断をし、そのための準備をし始めてもいいのでは。
今の会社を脱出し、外の環境を見てみる準備の参考にどうぞ↓
まとめ
ということでKYB(カヤバ工業)の免震・制振装置のデータ改ざん問題を元に偽装・不正について色々と考えてみました。
特に家を建てた私には気になるニュース過ぎた・・・
ともかくも「美しい国ニッポン」とか言ってる場合じゃないですよ。今や「不正だらけのニッポン」じゃないですか。
「技術力のにっぽん」という言葉は、少し前なら納得できる部分もありましたけど、今やただの嘲笑の表現になっちゃってますよ。
それくらいもう「日本って不正ばっかりだね」の考えに落ちてきている。
どうしたらこの不正の嵐が根本的に止むのか、を考えるべき時が来ているのでは、と思います。
今どうにかしないともうこの先日本のモノ作りは永遠に浮上できないんじゃないかと言う位の物憂いがあります。
どうせ少ししたらこのKYBの不正ニュースもメディアが報じなくなって忘れ去られていくのでしょう。
そうなる前に、世論の目が向いている間に、熱いうちに打ちましょうぜ。私もそのためにこの記事を書いています。
最後までお読み頂きありがとうございます。もし少しでも役に立ちそうだと思われたら、ソーシャルメディアでの共有をお願いします。
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