2020年の東京オリンピック・パラリンピックは実に56年ぶりに日本で開催される夏季オリンピックです。楽しみにしている人も多いのではないでしょうか。
選手団や観光客などの来日により、国際色豊かな年になることは間違いありません。そんな中で色々な形でオリンピックに関わる仕事や取組みが増えていきます。
ボランティアで関わる機会が増える
せっかいく日本で開催されるので、「大会ボランティア」に応募してみようと考えている人も多いでしょう。
2016年7月4日、2020年東京オリンピック・パラリンピック組織委員会は、ボランティアに求める要件の素案を明らかにしました。
参考:朝日新聞
2017年7月現在は若干要件が変わっているようです。
大会ボランティアの要件
オリンピック大会ボランティアの要件を見てみましょう。
〈応募条件検討の方向性〉
①平成 32(2020)年 4 月 1 日時点で満 18 歳以上の方
②ボランティア研修に参加可能な方
③日本国籍を有する方及び日本に滞在する資格を有する方
④10 日以上活動できる方
⑤東京 2020 大会の成功に向けて、情熱を持って最後まで役割を全うできる方
⑥お互いを思いやる心を持ちチームとして活動したい方
〈大会ボランティアに活かすことのできる経験や資質等〉(案)
①オリンピック・パラリンピック競技に関する基本的な知識がある方
②スポーツボランティア経験をはじめとするボランティア経験がある方
③英語やその他言語のスキルを活かしたい方
2018年8月ごろ募集が始まる予定で、組織委員会の担当者は「希望者は語学の勉強をしてほしい」と、ボランティア応募者向けに発言しています。
大会ボランティアの募集人数は8万人程度の予定です。2012年のロンドン五輪では7万人に対して24万人の応募があった事から、日本も同程度の応募があるものと想定されています。
それにしても、ボランティアで10日間拘束される、というのはなかなか高いハードルですね・・・。しかしまたとないチャンスですから、有給休暇や様々な方法を駆使して10日間をボランティアに使いたい、と考える人もいるでしょう。
外国語スキルを必須の要件とはしていないようです。8万人の募集に対して24万人の応募があった場合は、落選する人が出てくるわけです。国際的なイベントですから、英語がある程度出来た方が当選する確率は高いでしょう。
オリンピック組織員会が手っ取り早く足切りを行うなら、TOEICといった資格のスコアを使うのが簡単かつ確実です。
TOEICだけではスピーキング・ライティング等アウトプット系の能力を測る事はできませんが、ハイスコアを保持していれば少なくとも英語でコミュニケーションできるだけの素地がある確率は高まりますから、TOEICを疎かにはできないでしょう。
逆に言うと、TOEICのスコアすら低いようでは応募しても落選の可能性が高くなってしまいます。
書類選考でTOEICの足切りを行うとしたら
もし書類選考による足切りがあり、それにTOEICが使われたと仮定してみましょう。
少し簡単な計算をしてみます。TOEICの1年間計10回つまり第211回~220回(2016年6月~2017年5月)の結果から、次の事が分かります。
TOEICスコア幅 | スコアを持っている人数 |
845点~890点 | 35,920人 |
895点以上 | 32,367人 |
1年間で845点以上のスコアをとった人が68,287人いることが分かります。もしも、書類選考に記載するTOEICのスコアが過去1年以内のもの必須の場合、募集は8万人なので、単純に考えて845点以上のスコアを持っていればTOEICのスコアで落とされる、ということはなくなります。
このスコアを保持する人たちが全員応募するわけでもありませんし、何度もTOEICを受けている人も含まれてもいますから、ここまでのスコアは不要かもしれませんが、心配性の人はこのレベルのスコアを取っておくことに越したことはありません。またより高いスコアを持っていれば、それを武器としてアピールできる可能性もあります。
また仮に2年以内のスコアで良い、となった場合、845点以上の人は上記の倍の136,574人となり、確実に通りたい人にとっては心もとないかもしれません。(といっても、845点を持っていて足切りされるとは思いませんが・・・万が一という事はあります。心配性な方は心配でしょう)
895点以上のスコアを持っている人は単純に1年間の人数を2倍して64,734人となりますのでスコア的には十分です。900点以上を持っていれば、募集の8万人に対してTOEICの点数が原因で落ちる事は無いでしょう。
かなり単純かつ無茶な考えで計算してみましたが、TOEICスコアが原因で落選したくない場合は、800点以上を目安に考えておくとよいのではないでしょうか。
「TOEICスコアで心配をしたくない!むしろ少しでもアピールしたい!」という場合は900点以上を持っておくと間違いないでしょう。
応募者数が予想以上に膨らむ、或いはここ1~2年で日本人のTOEICのスコアが急激に上がる、という場合も想定し、目標を高めに設定して勉強に励むモチベーションにしましょう。
↓こちらの記事も参考にしてください。
通訳案内士という資格からみる大会ボランティア
通訳案内士という資格を考えてみます。通訳案内士とは、「報酬を受けて外国人に付き添い、外国語を用いて旅行に関する案内をする」職業です。
業を営むには都道府県知事の登録を受ける必要があり、2017年4月1日現在の登録者数は22,754人に達しています。外国語の種類には英語の他、フランス語やドイツ語など、計10か国語となっていて、筆記試験と口述試験を突破することが必要な資格です。
通訳案内士(通訳ガイド)は、単に語学力が優秀であるだけでなく、日本の地理、日本の歴史、さらに産業、経済、政治および文化といった分野に至る幅広い知識、教養を持って日本を紹介するという重要な役割を負っています。
とあります。
通訳案内士の筆記試験免除基準
この通訳案内士は、TOEIC840点以上で筆記テストが免除されるのです。この資格の免除要件から見ても、概ね840点ほど保持していればオリンピックボランティアへの応募の際、書類選考で足切りされることはないのではと考えられます。(絶対とは言えませんが・・・)
報酬を受けて働く通訳案内士よりも高いTOEICスコアを持っている人が、ボランティアの書類選考で落とされたら文句を言っていいと思います。(もちろん、語学力だけで判断されるわけではありませんので、そう単純なものではありませんが・・・)
アウトプット系の力も並行して高める
いずれにしてもTOEICは最低限必要な基準に過ぎない、ということを意識して英語力全体の向上に努める必要がありそうです。というのも、TOEIC L&Rのスコアが高くても、スピーキング・ライティングのスキルが高いとは限りませんので。
よって英語によるコミュニケーションを円滑なものにするには、TOEICのスコアを上げるのと並行して、話す・書くといったアウトプット系のスキルも同時に高めていく必要があります。
会話力を高めるのであれば、英会話教室に通うのが手っ取り早いと考えるでしょう。ただし週に1回短時間程度通っただけで他に勉強をしないのであれば、会話力はなかなか上がらない可能性が高いです。
ヌルい英会話教室に通うのではなく「短期決戦」で結果を出す事に重点を置いた「3ヶ月短期集中スパルタ英会話」といった”強制的に学ばざるを得ない状況”を作り出せる強力なサービスを使うのも手です。
トリプルマン・ツーマンで3人のスタッフが専属するとか言うわけ分からんレベルのサポートが得られるサービス
個人的にはTOEIC L&R(聴く・読む)の実力・スコアを短期間で上げてしまって、英会話に進むのがおすすめです。L&Rはスコアが上がりやすいので、ササッと英語力の下地を作ってしまうのです。
↓短期間でのTOEIC攻略については次の記事を参考にどうぞ
仕事でオリンピック関わる機会も増える
東京オリンピックの予算は当初の7,000億円から3兆円規模まで膨らんでいます。オリンピックに対する投資が増えているということは、それだけ関わる会社が増えている、という事が想定されます。
投資の内容は不動産・インフラ整備、セキュリティ向上、プロモーション等多岐に渡ります。オリンピックに関わる人は必然的に多くいるはずなのです。直接的でなくとも、間接的にでも関わる会社・人は多そうです。
私の会社でも、オリンピックに向けて様々な仕事を受け持つことになっているのですが、当然ながらオリンピック組織委員会等とのやり取りが増えることから、TOEICのハイスコア保持者を確保していこうという動きがあります。
そのスコアを見てみると、600、700、800、900というように区切ってあり、900点以上を持っていると最上級、という扱いでした。
皆さんの会社や組織も何らかの形でオリンピック・パラリンピックに関わる仕事に携わる事があるかもしれません。その時に「じゃぁ、半年でTOEIC900点取ってね」と言われてからあたふたしないように、準備をしておくといいのではないでしょうか。
TOEICの需要は増える
いずれにしても、TOEICの需要は増える事はあっても減る事は無いでしょう。オリンピック・パラリンピックに向けて、日本人のTOEIC平均スコアが上がっていくことも十分考えられます。
必要になってから慌てる事の無いように、少しずつでも準備をしたいものです。
また、話す・書くというスキルを高めるために、「TOEIC Speaking & Writing Tests」を受験する人も増えるでしょう。Listening & Readingの勉強と並行してスキルを高めていけるといいですね。
まとめ
・オリンピックに向けて、ボランティアへの応募のために英語力を高めたい人が増える
・オリンピックに向けて、仕事で英語力・TOEICのスコアを求められる可能性が上がる
・外から言われてあたふたするよりも、進んで英語力を高める準備をしよう
最後までお読み頂きありがとうございます。もし少しでも役に立ちそうだと思われたら、ソーシャルメディアでの共有をお願いします。
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