TOEICの公開テストとIPテストの違いは?どちらを受ければ良いか

TOEICの勉強法・テクニック

TOEICのテストには「公開テスト」と「IPテスト(団体特別受験制度)」の2種類があるのをご存知ですか?

 

公開テスト」は、毎月1回開催される、一般の受験者が受けるテストの事を指します。自分で申し込んで受けるなら、この公開テストですね。

 

IPテスト」とは企業・学校等の団体向けTOEIC試験です。ちなみにIPとは「Institutional Program」の頭文字を取ったもので、直訳すれば「団体制度」という意味になります。

自分の所属する企業・学校が10人以上の受験者を集め、自前の敷地を会場としてTOEICを受験することができます。

 

受験者としては手続きが楽な上、試験料も公開テストより安いといったメリットがあります。

 

スポンサーリンク

公開テストとIPテスト違い まとめ

二つの試験形態の違いを表にまとめてみました。IPテストは顔写真が不要だったり受験料が安かったりと、受験者にとっての負担は公開テストよりも軽いです。

 

ただ、IPテストは公式認定証の発行がない、等の違いがありますので、自分の目的に合わせて受験方法を選ぶ必要があります。

公開テストIPテスト
試験日程TOEIC協会が設定(年10回)実施団体が随時設定
試験会場TOEIC協会が設定実施団体のテスト会場
試験監督TOEIC協会のスタッフ実施団体のスタッフ
申し込み・個人で申し込み
・顔写真必要
・実施団体が申し込み(10名以上必要)
・顔写真不要
受験料5,725円(税込)4,155円(税込)
問題形式毎回新問題公開テストの過去問
テスト結果公式認定証スコアレポート等(公式認定証は無し)
結果確認方法・個人確認
・試験3週間後にオンライン発表、4週間後に郵送
・団体確認
・試験5営業日後にオンライン発表

 

データから見る公開テストとIPテスト

平均点や受験者数等、公開テストとIPテストの違いをデータで確認したいと思います。

平均スコア

平均スコアを見てみます。公開テストの方がIPテストよりも100点以上高いですね。

公開テストが自分の意思で申し込んで受けるという人が多いのに対し、IPテストは受けたくもない人が無勉強で受けるといったケースが多々あるため、このような結果になっていると思われます。

公開テストIPテスト
2014年582(L320・R262)461(L259・R202)
2015年585(L321・R264)462(L260・R202)
2016年579(L317・R262)466(L263・R203)

 

TOEIC公式ページのデータを見ていて驚いたのですが、公開テストの所属学校別平均スコアは、小学校が615点と一番高いのです(2位が大学院の602点)。そして中学校の平均スコアも601点とかなりのハイスコアとなっています。

若くしてTOEICを受ける人たちは、帰国子女や勉強を頑張った、という英語に自信のある人たちなのでしょう。

 

 

スポンサーリンク

受験者数

受験者数をみてみます。直近では公開テストとIPテストの受験者数の合計は約250万人にも達しています。

 

20年位前はIPテスト受験者の方が圧倒的に多かったようです。現在では若干IPテスト受験者の方が多いものの、ほぼ半々くらいまで公開テスト受験者数が増えてきています

 

新形式試験への対応

公開テストは2016年5月に試験内容の一部が改定され、いわゆる「新形式試験」に変更されました。トリプルパッセージ問題とか追加されましたよね。

 

IPテストは2017年3月の実施分まで「旧形式試験」が適用されていましたが、2017年4月以降は公開テストと同じく「新形式試験」に変わっています。つまり、現在のTOEIC L&R テストは、すべて「新形式試験」で行われている事にななります。

 

ところで上のまとめで記載した通り、IPテストでは公開テストの過去問題が使われています。新形式に移行してたった1年しか経っておらず、公開テストの過去問の数もそんなに貯まっていないはずです。

 

そのため過去受けた公開テストと同じ問題をIPテストで解く、なんてこともあり得るのでしょうか。

 

或いは、別の国の問題を日本内でIPテストとして使っている、という可能性もありますね。その場合は全く同じ問題にあたる、という可能性は低そうです。

 

IPテストは公式テストより簡単か

ちまたでは「IPテスト」の方が「公開テスト」よりも簡単、と言われることがあるようです。
しかしこれは正しいとは言えません

 

なぜなら、IPテストは過去実施された公開テストの1つですから、難易度は同等なのです。

 

しかしながら、パート7の文章量が増えてきたり、リスニングのひっかけも巧妙化してきたりと、TOEIC自体が難化してきたのは事実であるため、昔の公式テストを使うIPテストが簡単、という認識をされてしまったのだと思われます。

その意味では「IPテストの方が簡単」という主張も、あながち間違っているとは言えないかもしれませんね。

 

2017年4月以降は公開テストもIPテストもいわゆる「新形式」に移行していますので、難易度差はない、と考えた方が良さそうです。

 

注意!公開テストとIPテストは適用範囲が異なる場合がある

基本的に公開テストは全ての場面(入試や単位取得、就活に昇進・昇格試験等)で適用可能ですが、IPテストは性質上、その団体の中の評価にのみ適している、と考えておいた方が良いです。理由を以下に記載します。

 

IPテストの場合、試験監督員等運営者が実施団体のスタッフとなっています。マニュアルに沿って進めるのですが、運営に不慣れなことから時間を正確に測れていなかったりといったバラつきが発生し得るのです。

 

またIPテストは公開テストの過去問を使っていることから、奇跡的に過去受けたテストと全く同じ問題に当たり、実力以上のスコアを取れてしまう可能性が0ではない、という懸念も存在します。

 

上記のような性質のためか、大学の単位取得や大学入試・大学院入試にTOEICを使う場合、IPテストのスコアは不可・認めないといったケースがかなり存在するのです。自分がTOEICのスコアを使おうとしている対象について調べてみることをお勧めします。下記の記事で実際のデータを掲載していますのでご興味があればご覧ください。

 

公開テストとIPテスト、どちらがより需要があるのか、を分析してみた記事はこちら

就活?単位? 大学生こそTOEICを受験すべき7つの理由
大学生はどんどんTOEICで高スコアを目指すべきです。TOEICは単位取得や就活時に活用できますので、将来後悔しないように、今をしっかり生きましょう。
大学入試へのTOEIC活用 高校生はTOEICを勉強すべきか
TOEICのスコアを活用する大学入試はかなりの数があります。ざっと数えてみると、全国の国立・私立大学で、全1614個の入試でTOEICが活用されているようです(2016年10月~12月時点のデータ)。どれ位のスコアが求められているのか、等を明らかにします。

上記記事の中で、可能な限り「公開テスト」を受けて目標スコアを取っておくのが良い、という結論付けをしています。

 

IPテストの結果を就活等の履歴書に書くことは全く問題ありません。IPテストの結果だよ、と明示する必要もないでしょう。ただIPテストは上の記事のように適用不可なケースがあるので、「実施団体内のローカルスコアに留まる」という認識を持っておいた方が間違いなさそうです。

 

目的に合わせて公開テストかIPテストかを選ぼう

公開テストとIPテストの違いをお分かりいただけましたでしょうか。

 

とにかく安く受けたいならIPテスト、どんな場合にも使う事の出来るスコアを取得したいなら公開テスト、というように、自分の目的に合った受験方法を選んでくださいね。

 

まとめ

・公開テストとIPテストの違いを知ろう。
・公開テストとIPテストで適用できる対象に違いがある事を確認しよう
・目的に合わせて受験方法を決め、TOEICを受けよう

英語を使って副業しよう!語学力を活かしてお金を稼ぐ方法!高時給も可能!
「月々の収入がもう少しあれば・・・」と考えている方、あなたが英語力を持っていれば、それをお金に換える事ができます。とはいえ起業するとなるとリスクが大きくなってしまうのは事実ですから、副業から始めてみるのが良いでしょう。
TOEICや英会話をマスターせよ!おすすめの英語教材・スクールまとめ
TOEICや英会話などの力を伸ばしたくて勉強しようと考えている方も多いともいます。しかしどんな教材や問題集を使えばいいのか見当もつかない、という方がいらっしゃるのも事実。ここでは、実績や内容を考慮しておすすめできる英語の教材、スクールなどをまとめてみました。
TOEICリスニングで最も効果があった最強の勉強法シャドーイング
私はリスニングの点数を一か月で180点ほど上げました。急激な伸びで自分でもびっくりした位です。その時に力を入れていた勉強法が「シャドーイング」です。騙されたと思ってあなたの勉強法に取り入れてみてはいかがですか?
速聴のすすめ!TOEICリスニングが面白いほど聞き取れるようになる!
TOEICのリスニング音声を最初に聞いた時「速ぇー、聞き取れないよこんなの」と感じたものですが900点に達した今では大したスピードには感じません。脳の英語音声処理能力が上がったのです。その能力を急速に上げるための一つの方法が「速聴」です。

 

最後までお読み頂きありがとうございます。もし少しでも役に立ちそうだと思われたら、ソーシャルメディアでの共有をお願いします。

コメント